第2章 出発

月日のたつものはあっというまで10/3(金曜日)出発の日の朝がやってきました。 筆者は八千代市の弟宅に前泊しておりそこから京成鉄道で成田へむかうとこと なりました。勝田台駅からは30分で到着するので、 朝も余裕をもってでられた のは良いことのひとつでした。

当日午前11:00集合という予定でした。ここで、かんじんなのは、集合場所は 第1のほうであるということです。成田には、第1と第2があってその間がかなり 大きく、離れています。例えば福岡空港にも同様に第1と第2があり、仮に間違えて も「あ、僕まちがえちゃったああ」と苦笑いしながら、もう一方に歩いていけば よく、とくに致命傷にはなりません。しかし、成田の第1と第2はけっこう離れて いて、海外にいけるどころか日本の中で路頭に迷うことにもなりかねないでしょう。

京成の終点成田空港(これが第1)で降りると、荷物をもってホームを歩きだしまし た。集合場所は第1のHカウンターという場所です。しかし、これがけっこうな 距離があり、重い荷物をもっていたのは失敗でした。やがて、その集合場所に 到着、ベンチに腰をおろして、待っていました。11:00という時間ははやすぎる ということが他の海外旅行経験者にはじゅうじゅう分かっていたようです。 海外旅行になれないわたしは、HISから2時間前集合ということを聞いてさらにその 15分前に待ち合わせ時間を設定しました。乗るまでにどういうプロセスがあるのか よくわかっていなかったからでしたが慎重すぎたかもしれません。

まもなく、谷野さんがカートのような荷物をもって登場しました。「今日は よろしく お願いします。」さすがは谷野さん、軽い服装ですがきまっています。 そして、ずっと前に到着していたという田島さんや、 尾崎さん 大木さん、服部さん、佐藤さんが次々にあらわれました。 「やあやあ、どうもどうも。」 順調です。

大木さんは、かなり身軽な格好でした。みたところ荷物が非常に少ないのです。 「いやあ、この中には韓国の皆さんにお送りするおみやげの長野オリンピック 記念キーボードレストがはいってるんですよ!」といつもの軽い調子で話 しはじめた。「え、その荷物の中にそれがはいっていてそれだけの量なの ですか?」あまりの身軽さに一同驚きました。「ええ、3日間ともこの格好で とおすつもりですしね。」そういって、自慢のスーツを見せびらかしていました。 大木さんはさらに「そういえば、バッチをつけておかなきゃ」そういうと、HISの パンフレットの中からバッチをとりだして、胸につけました。また、旅行かばん には紙でできたHISマークをとりつけています「あれ、そんなものが中にはいって いるんですか?」わたしはちょっとけげんな顔をして、自分のパンフレットをとり だして中を確認しました。すると、たしかにそのようなものがはいっていたので、 それを同じようにとりつけました。「これも書きましたか? 」見ると入国、出国 カードなるものをもっており、それにぴっちりと氏名や住所などの情報が書き込ま れています。「なんですか、それ?」「やっぱり、、これ、書いておいたほうが いいですよ。」「え、どこにあるんですか?」「パンフレットの中ですよお!! 岸原さん、自分でくばっておいて知らないんだから、、」一同爆笑していました。 私がいいかげんな性格をしていることがばれてしまった一幕でした。

「 岸原さんは、韓国初めてなんですか?」 「いや、韓国どころか海外自体初めてなんですよ。」 「へええ!」何人かの人が驚いていました。

大木さんは、さらに韓国語を話はじめました。 チョウムペッケツスムニダ! 。。。。。。 ちょっと聞くとわけのわからない 念仏のように聞こえますが、どうやら大会の開会式で韓国語により挨拶を すると相当の気合いのいれようです。その練習の深さはなみなみならぬものが うかがえ、かなりレベルの高い充実した挨拶をしてくれそうで、皆、大木さん のことを頼もしく おもいました。といいつつも、韓国語の本をもってきていた私 も少し覚えていた言葉を復唱しはじめました。他には谷野さんもしっかり勉強して いるようです。かんじんなのは最初の挨拶です。

「ええっと、どういたしまして はチョンマネヨかあ。」「それはですね。 ちょんまげヨ!っておぼえるんですよ。」大木さんはチョンマゲを結わえる格好を して、そう教えてくれます。なるほどこれは妙案かもしれません。

さて、8人のうち残るは1名加藤さんだけがきていません。現在11:20分 旅行会社 の指定した時刻は11:15分だったので5分遅れということになりますが、まあその 程度の遅刻は全然問題にならない様子です。「どうせ、すぐくるでしょ。わたし、 ちょっと たばこ吸ってきますから。。」そういうと、大木さんと服部さんは別の 場所に移動してたばこを吸いにいってしまった。残りの人たちは、その場で 今回の旅行のプランなどについて話あっていました。. ところが 11:25分 11:30分と 時間がすぎていきましたがまだ加藤さんが 現れません。「おかしいなあ。」 「加藤さん、碁をうっててもいつも時間いっぱい 使うからねえ。」と冗談をいい つつも、「HISの人も我々をとくに探しにくる様子は ないけど心配していないの かな。。」とだれかがつぶやきました。

そこで、とりあえず 状況だけ話してきましょうか。とわたしがカウンターまででかけていきました。 「すみません、韓国へ行く8名なんですが、、、」「あ、はいキシハラさんで すね。」「そうです。一人だけ今来ていない状況なんですが、、」「ええ、そうな んですか? その人がこなくても出発しますか? 」「あ、はい」加藤さんには悪いが 加藤さんがこなかった場合、出発せざるをえない。「では、パスポートだけ 確認させてください。あと、12:00までにこなければもうこちらから航空券を お渡しすることはできませんので、、、」不安をおぼえつつ、皆のところに戻り パスポートをかき集めてカウンターまで提出しました。たばこを吸っていた大木さん、 服部さんも戻ってきて「加藤さん、本当にきませんね。」と話はじめました。 「まさか、日にちを勘違いしているとか。。。」「まさかあ」「第1と第2を間違え たってことは??」「いやいや、 彼はこの前もタイに行ったとかで海外はなれている から、どのくらいの時間帯にくればよいかわきまえているんですよ。きっと」 このように楽天的な話をしていた 大木さんの顔も11:52分くらいになるとさすがに曇り はじめ、「さすがに行きますか」 と声をあげました。皆、それに同意して荷物を とって カウンターに並びはじめました。

「 それにしてもどうしたんだろう? 今回の韓国遠征において 加藤さんは大将のような存在である。いきなり大将不在では、 気勢もあがらないなあ。」と残念におもって、カウンターに並んでいたときに 前の前にいた人がなんとなくどっかで見たことがあるような感じの人なのです。 「ん?」「あ、あれ?」「加藤さあああん!!!」そうその人は加藤さんだったのです。 「ああ、おはようございます。」第1の事件、加藤さん遅刻事件はこれにて無事 一見落着しました。 実は、車でこられたそうで、途中でかなり混んでいて予想外に 時間がかかったようで、「やはり金曜は混んでるんですねえ」などとおっしゃって いました。他の曜日だと楽々まにあう時間に出発していたらしいです。 しかし、 ぎりぎりセーフするあたりさすがに終盤に強いところをさっそく見せて くれるものです。安心した一行は、航空券をうけとると、出口のほうへむかって いきました。 てなれた大木さんが皆を先導します。海外へ行くときは、 ボディチェック以外に 税関、出国審査というプロセスがあるようです。 また空港税という(よくわけがわかりませんが)もとられるようです。

私にはすべてはじめての体験でおおげさにいえば恐怖におののきながらの 手続きとなりました。無事にそこをパスしたあと、 「UAEは、こっちでいいんですかね?」わたしの質問に聞かれた人はきょとんと してます。「UAE??」「あ、UAだった。UA,UA」「ああ、UAね。だいじょうぶ ですよ。」UAEといえば、ワールドカップサッカーでもよく戦っている 中東の国で、UAは、United Airlineのことです。お間違えのなきよう。(って 間違うのは私くらいのもんですかね。(^^;

途中でお酒を買って準備万端となりました。お酒の清算はその場でやってしま いました。その後、待合室まで歩みを進めました。 待合室は円筒形になっており、搭乗口がところどころについています。 デジタルカメラをくりだし、出発前の緊張した顔をとろうとしましたが、皆 たいして緊張している様子はないようです。

やがて、行列ができて搭乗がはじまったが、なんというか驚いたのは、 切符を手できっているではないですか! しかもたった一人で。。経費削減の波が 航空会社を襲っているのでしょうか?「原始的ですねえ。」そのせいで長い行列 がなかなか進みません。我々もしばらくして、 行列が短くなったのをみはからって やおら腰をあげて、機内にのりこみました。機内にのりこんだとたんいきなり カルチャーショックをうけました。なんと、スチュワーデスが外人なのです!!! 長い私の人生でもこんなことはありませんでした。スチュワーデスは日本の人 しか見たことありません。Communicationとかはどうするのだろう? 一抹の不安が私をよぎりましたが、杞憂だったようです。国際化がすすんでいる のか、わりと日本語のできるスチュワーデスだったみたいなのです。

やがて、8名全員が機内に乗り込み、出発をいまかいまかと待っていました。 しかし、飛行機がなかなか出発しません。機内では年配のスチュワーデスの 方がまわってきて韓国への入国カードを配っています。「ニホンジンデスカ?」 と聞いてくるので、そうです。と答えてそのカードをもらっておきました。 どうやら入国のさいに必要らしく「こういうものは書いておいたほうがよい」 とのアドバイスを加藤さんからうけて、さっそく、記入をはじめました。

ところで、飛行機がなかなか出発しませんでした。最初に原始的な改札をやったの で長蛇の行列をなかなかさばききれなくて、乗員が全員のりこむまでにてまどり、 出発時刻の13:15はとうにすぎていたということはありましたが、 その後もなぜかじっとしています。

「なんか、出発しませんねえ。」「まあ、飛行機にはよくあることですよ」 なんて話していましたが、けっこうな時間が経過していきます。 どうも理由はよくわかりませんが結局出発は1時間遅れの14:15 発となってしまい ました。先行き不安なスタートです。「 まいりましたねえ。こんなに遅く出発 するなんて。。」 心配なのは、Kahngさんとの待ち合わせ時刻です。17:00に マンハッタンホテルでお ちあうことになっていますが、それにまにあうかどうか。。

「当初の到着時刻16:30につきますかねえ。」「ちょっと苦しいかなあ。」 「でも最後は帳尻をあわせるでしょう。」「寄せでおいこむはずです。」 「ほんとに布石でなんかすごく長考してましたねえ。」 「ほんとにちょうちくんみたいにねえ。」 ははは、(軽い会話でなごやかな雰囲気 になりました。) そのころ後ろの席ではぱたぱたと音が聞こえてきます。 「え、まさか」加藤さんが後ろを振り向きました。

そう、まさかでもなんでもなく恒例の 囲碁 尾崎 VS 服部 機内の一戦です。 このような場所で対局することになんの疑問もなく当然のごとくやっておられます。 このような対局をしていると、時間のたつのを忘れるのでよいかもしれません。 酔いやすい人には無理でしょうけど、、、

乗務員の外人の男性がタオルを配りにきました。日本の飛行機だったら、おしぼり どうぞ。というところです。この人はタオルを特大ピンセットでつまんでお客さん に渡しています。この光景は帰りでも他のスチュワーデスがそうでしたが、 どのような意味があるのでしょうか? そして、おしぼりも弁当などについている 携帯用のやつでした。やはり、おしぼりはタオルのほうがいいですね。

途中で横に富士山が見えました。富士山には雲がかかっていましたが、山頂の あたりはよく見えます。気がついたお客さんも左の窓によりかかり 「富士山だ。富士山だ!」と叫びながら集まっています。そのせいで、左に 飛行機が傾くところでしたが、スチュワーデスやこのようなときのために 雇っている体重の重い乗務員がこのことを予想して、あらかじめ右側によって いたため大事にはいたらなかったようです。 (ってまさか、そんなことはないでしょうねえ。(笑)

やがて機内食がでてきました。 そばとすしの組み合わせでした。 そして、さきほどの外人の男性乗務員が 「ツメタイオノミモノハイカガデスカ?」とはんで押したような声でビールなど を配っていました。 イヤホンほとんど機能せず、役にたちませんでした。 機内食というのも生まれてはじめて食べましたがあんまりろくなものでは ないですねえ。

後ろの座席の大木さん、谷野さんは食事終わってビールを飲むとさっさと 眠ってしまったようです。

ソウルに行くときは、成田から新潟のほうへ行きすぐ日本海にでていくと おもいこんでいたのですが、これは間違いでした。地図をみると一目 瞭然なのですが、ソウルはわりと西のほうにあるため福井県のあたりまで ずっと陸地をすすんでいくことになります。しばらく飛んでいるのに 「まだ日本の陸地が見えるなあ」ということになりました。 しばらく、日本を見たあと、飛行機はエンジンの回転数をあげながら、日本に わかれをつげて、日本海へとたびだっていきました。


第2章終り