第8章 大会


 朝食のあと、おもいおもいのすごし方でバラバラになりましたが、
 約束の時間には、皆戻ってきました。尾崎服部組もおりてきたようです。

 いすに腰掛けて待っていると、ホテルにLeeさんがやってきました。
 Leeさん、アンニョンハセヨ!!  アンニョンハセヨ!   元気よく挨拶をします。
 
 挨拶がすむと、さっそくホテルをでて会場となる韓国IBMのビルにむかいました。
 15分から20分ほどの徒歩になるでしょうか。

 ところで、このLeeさんの歩くスピードがけっこう速く、追いつくのは大変でした。
 大木さんと佐藤さんはついていきますが、他の人間は少々遅れぎみです。

 途中でKBSのそばを通りました。カメラマン風の人が機械をいじっていました。
 国営放送にしては、なんとなくちゃちな印象をうけました。

 また、もうしばらくいくと、護送車のようなバスが止まっています。
 そのような車を見るのは初めてで恐くなりました。服部さん、この車に乗って
 みるというのはいかがですか? と声をかけましたが、さすがの服部さんも
 顔をこわばらせながら「いや、遠慮しとくよ」と返事されました。

 やがて、IBM Koreaのビルが見えてきました。昨晩は夜だったのでよくわからなかった
 のですが、なかなか立派なビルのようです。
 
 外にYunさんが出迎えてくれていました。
 Nice to Meet you !!  皆、固い握手をかわしました。私など第1回以来で非常に
 久しぶりの再会でした。ただ、先方は私のことを覚えていなかったようです。私は彼が
 箱崎の零岸橋ちかくの酒屋でカラオケをやったときに、音楽なしでみごとな歌を
 披露してくれたのがとくに印象に残っていて、そのことを話すとてれておられました。
 とにかく喜ばしい再会でした。
 
 一行はIBMビル内にはいり、いよいよ会場の地下1Fカフェテリア
 へと歩みを進めました。このとき、おそらく大木さんの顔は紅潮していたのでは
 ないでしょうか。
 20名ほどのIBM Koreaの社員が待ち受ける会場で韓国語で立派な挨拶をして万雷の拍手
 をうける自分自身の姿が目にうつったことでしょう。
 今年は日本IBMの社長にもプレゼンテーションを行うという晴れの舞台が
 ありましたが、その時依頼のビッグな舞台となりそうです。
 
 しかし、カフェテリアに行くと、、、、
  そこにいたのはKahngさんとSeongさんだけでした。あれ、20名ほどの韓国IBM 囲碁
 部員は??? まさか、我々を驚かそうとどこかに隠れているのでしょうか?
 さすがにそんなことがあるわけもなく、今来ている人間はこれだけのようです。
  KahngさんとSeongさんは碁盤を運んだり、フリップチャートをもってきたりしていて
 準備におわれているようです。我々もアンニョンハセヨと声をかけてカフェテリアの
 隅のほうの会場にいすわりました。
 「Kahngさん、今日はどんなルールで対局するのですか?」
 「はい、今日はA Group と B Groupに別れてそれぞれ対抗戦を行い、
   Groupで成績のよい二人で決戦を行います。」なるほど、とおもいました。
 
 そういうと、Kahngさんは、対戦表をフリップチャートに書いていました。
 しかし、どうにもおもしろい表の書き方で、このあたりは大会運営になれていない
 感じもしました。

 それから、ハンディ戦なのでそれぞれに段位でランク付けをして
 いったのですが、これもおもいっきりAboutな感じでした。ええっと○○さんは、
 このくらいでよいかな。いや、もう0.5段さげよう、とか、あげようとかその場の
 話合いで適当に上下しています。次回は点数カードをもっていったほうがわかりやす
 かったかもしれません。囲碁の段位というのもわりといいかげんにできていて、
 国やその所属クラブによっていくらでも基準が異なっている からです。

 かくて、A Groupと B Group に別れての対戦が始まりました。

 大木さんは、対局前にyunさんに Your My Teacher ! といってさかんに牽制球をなげて
 このとき、韓国側わずかに4名、こちらが8名なので対戦といってもうまく
 いかないのでは?と心配しましたが、だんだん人が集まってきてことなきをえました。
 しかし、大木さんの韓国語によるあいさつは?? どうも空転してしまったようです。
 大木さんはこれですっかり調子を狂わせたのか、これがその日の成績にひびいた
 もようです。
 次々に韓国IBMの方があらわれます。
 社長の Kim さん、Strong Kim さん、Janさんなどです。 こられるたびに握手をかわし
 よろしくお願いします。と声をかけあい、再会や出会いを喜びあっています。
 韓国IBM No.1 の打ち手といわれるKimさん、昨年来日され大和研究所で金沢東栄さんと
 対局されました。昨年、その碁がえんえんと続き、夕食パーティー時になっても終了しなかったので、
 わたしが立会人として残り、3人で車で中央林間のパーテイー会場へと足を運んだという縁もあり、
 わたしのことはよく覚えておいてくださったようです。実は、昨年わたしが三子局で勝たせて
 いただいたことも一因だったかもしれません。

 私はYunさんといきなり対局しました。碁をうつのは
 はじめてでしたが、ほんとに礼儀正しく、センスのよい人間だなあと感じました。
 途中でファンジャンシルオディエヨ? とトイレはどちらですか?
 という意味の韓国語を話かけましたが、発音が悪かったのか最初はめんくらって
 いましたが、すぐに意味を理解され、トイレに案内されました。
 
 碁は終始優勢でしたが、最後にうまくうたれて逆転負けをくらって
  しまいました。ふつうならくやしいところですが、彼に負けてもあまり
 くやしくないとおもえるほど、彼は本当に良い人です。

 
 佐藤−Kimさんはなんと7子対局、地力にまさるKimさんがおしきったようで
 すが、このような対局も自然と行えるところがまたすばらしいとおもいます。

 最初は少なかった韓国側メンバーですが、その後もChoiさん、pachinko Kimさん、
 らもかけつけてくれました。Choiさんは、3年前、5年前と二度も来日されて
 おり、日本の人にとっても馴染みのある方です。また、Pachinko Kimさんとは 
 私が名付けたNamingです。 (勝手につけてゴメンナサイ) 昨年、来日されて
 酒の席でずーーーーっと、パチンコで大もうけした話をしていたので、印象的でした。
 私と高本さん、佐藤さんらがずっとそれを(半分あきれて)聞いていたのをおもいだします。

  熱戦はしばらく続いて手談を楽しみましたが、やがて昼食時間となりました。
 
  私はSeongさんに案内されて、弁当をとって、Tableで食事をしました。
  昼食は、手巻寿司風の食べ物とおでんでしたが、寿司は日本ではみられないような
  やはり独特の食べ物です。また、韓国では箸が金属でできているのですが、これ
  もどこでもそうなのですが、これはどういう意味があるのでしょう? 割り箸を
  使うという発想はうまれてこないのかな、とちょっと疑問におもいました。
   
  昼食をとっている間もいろいろと英語で話をしました。そういえば、兵藤さんが
 Big Parkさんのことを気にかけていましたよ。と話すと、「彼は退職しましてねえ」
 なんて話してくれました。彼自身、その1時間くらい後に会場にかけつけてください
 ました。会社をやめても碁というつながりで結び付きあった関係というのは非常に
 心強く感じます。
 

 碁をうっていると、となりの加藤さんとJangさんの対局が終わったようです。
 大逆転だったようで、しばらく感想をやっていましたが、すぐにお互いの仕事の
 話など自己紹介のような会話を始めました。すると、「Really!!」と加藤さんが
 叫びました。どうやら、非常に近い仕事をされているようなのです。
 「こんなところで、同じ仕事をしている人に出会うとは、、、」
 とオドロイた様子です。「じゃあ、ミノシマさんは知ってますか?」janさんは
 「知っています。」と答えました。お二人はしばらく、その仕事の話をされていた
 ようです。

 途中でワールドカップサッカーの結果がはいってきました。韓国が3-0でUAEを
 くだしたというのです。このGoodNewsで会場も色めきたち、日本のメンバーも
 Conglatulation ! と声をかけました。
 日本の結果ははいってきませんでした。結果的には1-1でカザフスタンと引き分けた
 わけですが、加茂監督の更迭までその日の夜に決まったというなんともさえない話です。

 服部さんとStrong Kimさんの戦いは大熱戦でした。
 

 Kimさんは「難しいなあ。」と
 日本語を連発されておられました。そして、Kimさん自身に大きな見落としが、、
 ところが服部さんもそれに気がつかず、(気がついていれば簡単に勝ちだったようです)
 ギャラリーだけが知っていたというスリリングな展開でしたが、多くの観戦者を
 魅了した戦いだったようです。
 
 わたしは今回もKimさんに教えてもらえることになりました。三子おいての対局でしたが、
 中盤で一失があり、みるみるうちに敗戦となってしまいました。やはり、強いです。

 最終決戦はKimさんとJangさんの対戦、なんというか実力どおりでした。
 これも難しい戦いだったようですが、Kimさんに凱歌があがったようです。
 韓国IBM最強のKimさん、流石です。

 公式の戦いは4戦でしたが、非公式に対局していない人間と次々に手合いがくま
 れて、10:00にはじまったその会が終わったのは21:00くらいの時でした。
 大会は優勝がStrong Kimさん、準優勝が jangさん、三位がseongさん、四位に田島
 さんがはいりました。
 日本側にとっては、さえない成績とはなりましたが、それでも大満足
 の一日でした。

第8章 終わり