第10章 遅刻
最終日の朝がやってきました。 楽しかった韓国旅行も今日が最後です。 まだ、今韓国にいるというのが夢のような気分でしたが、とにかく目が覚めました. 私と同室の田島さんは、もちろん私より早くすでに起きています。 「田島さん、おはようございます。」「おはようございます。教会に人が集まって いるよ。」「え、ほんとですか?」私は窓にかけより、カーテンをあけて外を 見てみました。すると、、、、 上は白、下は黒というスーツ姿の男性が大勢、教会の前にたむろしています。 まだ、7:00になったばかりこんなに朝早くから本当に何をやっているのかは 知りませんが御苦労なことです。 ちょっと異様な光景だったので写真をとってしまいました。
8:30にホテルのフロントでHIS 添乗員のParkさんと待ち合わせしています。 ということで、我々の待ち合わせ時間は7:45ということになりました。 さっさと朝食を食べてフロントに戻る予定です。フロントに集合し、定刻の7:45より少し遅れましたがまたホテルの横の食堂に でかけていきました。昨日、すでに目をつけていた食堂があり、そこにはいっていきました。 なんとなく洋食風の作りの店です。パンとコーヒーにハムエッグなんて朝食をやってい そうな感じです。8名は中にはいって4名ずつに別れてテーブルに腰掛けました。 中には2名の女性の店員さんがせわしそうに動いていました。一人は50代 もう一人の若いほうも40代くらいの人だったでしょうか? メニューが配られました。例によってハングル文字です。今日は、となりのテーブルに お客さんもいませんので、人の食べているのを指さしてイゴと言って逃げる 手も通用しません。(まね碁はダメっていうことです。) 正々堂々と正面からオーダーするよりなさそうです。 我々も覚悟をきめました。(たかが朝食で、、) どうやら、パンとかコーヒーとかハムエッグなんてのはありそうもないです。 ガイドブックを片手に、メニューを見て、これは、どういうものだ。いや、違う、 それだ。とかさかんに検討していました。しかし、ようやく定まりました。 大木さんがコムターン、岸原と田島さん、佐藤さんが ビビンバ (日本でもよく みかけますので、無難なところです)尾崎さん、加藤さん、谷野さん、服部さんの 四名はテグターンという料理に挑戦しました。 さっそく、大木さんが注文を行います。40代の女性店員に声をかけます。 「アガシ!アガシ!」アガシとは、お嬢さん! という意味です。 そう呼ばれて気をよくしたのか店員さん、笑いながらかけよってきました。 大木さんを中心にして、てきぱきと注文をします。「テグタン、コムタン、ビビンバ」 身振り手振り、日本語英語韓国語ごっちゃまぜの会話でなんとか通じたようです。 店の人はさっそく準備にとりかかりました。 いやあ、これでひと安心ですね。 我々はほっとして息をつきました。安心すると煙草を吹いたくなるようです。 「すいません、灰皿ありますか?」服部さんが厨房のカウンターのところに 行き、日本語で聞いています。「は?」「灰皿ほしいんですけど」 相手が日本語を知っているかどうかもわからないのに、いきなり日本語で 質問するなんて大胆というか無神経というか、、(笑) 店のおばさんも狐につつまれたような顔をしています。 結局、やっぱり、通じなかったようです。 そこで大木さんが助け船、もうすこしわかりやすい言葉と態度で説明を すると、 「おお」と厨房の店員さんは理解しました。そこで店の入口付近にいた もう一人の若い店員に声をかけます。「ジェットリチュセヨオオオ」 どうやら、灰皿もってきてえ。といっているようなのですが、これを大木さん、 見よう見真似ではなく、聞きよう聞き真似で 「じぇっとりちゅせよおお」と まねしたのが店員にうけたようで、忙しそうに料理していた店員も笑っていました。 それにしても灰皿を表す韓国語がハットリに似ている 「ジェットリ」なのはわかりやすいですね。 それから、しばらく、今日の旅行の話などをしていましたが、 注文した朝食がなかなかでてきません。たしか、 7:50分にはこの店にはいってきたはずですが、 8:25分なのにまだなにか作っています。 食器などを用意しているので、準備しているのはわかるのですが、何にそんなに。 時間がかかるのでしょうか? 大木さんは、たばこを一本消すと、 「わたし、ちょっと行ってきますから、、Parkさんがもうきてるでしょう」 と店をでて、ホテルのフロントにむかっていきました。今、食事が到着しても 食べおわるまでに約束の時間はとうにすぎそうです。 さて、大木さんが行ってから数分たちました。「戻ってこないってことは、 ガイドさんもまだきていないってことかな」だれかの鋭い指摘がありましたが、 心配になったのでわたしも様子を見にいくことにしました。 ホテルのフロントまで行くと大木さんがこちらへ向かって歩いてきています。 「Parkさんいましたか?」「いや、いないですね。車はきてましたよ。運転手 さんに 9:00だといっておきましたからだいじょぶでしょ。」 なるほど、運転手さんにことづけているのであれば安心だ。 二人で、また店に戻っていきました。もしかしたらもう朝食が できていてみんな食べはじめているかもしれないな。 とおもったわたしの予想ははずれ、まだ全然こないようです。 テグターンを注文していた人間は店員の指示で わざわざとなりのテーブルに移動しなければなりませんでした。 加藤さんも同じ席にうつされ、そのため一人になった 佐藤さんは、ビビンバ組なので、加藤さんの座っていた席に移動しました。 そして、テグターンの席には、店員がテーブルの中央にでえんと鍋の ようなものをおきました。 「おいおい何が始まるんだ?」単なる朝食なのに、かなりおおががりな セットのようです。「ううむ、どうやら大変なものを注文してしまった らしいぞ。」 結局、朝食が全部そろってきたのは、店にきてから1時間ほどたって からでしたでしょうか、大変な時間がかかってしまいました。 コムターンはなかなかあっさりしておいしそうなスープでした。
ビビンバは日本でも食べられるものですが、やはり本場のものは なかなかおいしかったです。で、テグターンも、本当にすごい朝食 でしたがこんなものはなかなか日本では食べられないと皆楽しそうに 食事をされていました。
食事が終わって、お金の支払いもいつものようにてまどりましたが、 なんとか終えてホテルに戻ってみると、、、 Parkさんがフロントでなにか、あわてふためいてしゃべっていた 様子でした。しかし、我々の姿をみとめると 「アラ?」と声をあげていました。 「シンパイしました!フロントにもいない、ホテルにだれもいない。 車にもいない!いったいどこいってたんですかあ。」 どうやら、運転手から集合時刻をのばす話が伝わってないような様子です。 役にたたない運転手だなあ。 (^^; 「いやあ、朝食が異常に時間がかかっちゃいましてえ。」 「じゃあ、今からチェックアウトしましょう。」 「ハヤクシテクダサイ!」我々は急いでエレベーターに乗ると 部屋に戻って荷物をまとめました。 下ではParkさんがいらいらしながら待っていました。 「実は、このあとレックスホテルに行ってもうひとかた観光希望されている 人がいますので合流する予定です。」「あ、そうなんですか?」 「は?そんな話、聞いてないよ」と加藤さん。 「その人も日本IBMの方だそうですよ」「へえ。」 わたしはチェックアウトを済ませ、さらに引換え券を渡して預けてあった パスポートをうけとりました。(これを忘れてると大変です) メンバーが次々にチェックアウトをすませる中、 二人をのぞいてなかなか降りてきません。二人とは、いうまでもなく たばこ組の方です。考えてみれば、末期の一本も吸いたくなるところでしょう。 まあ、ゆっくり吸っていてもらおう。と考えたそのとき、 「急いでくださあい。そのレックスホテルの方とは9:10に待ち合わせてい るんです。」 と Parkさんの声 「ええ!」 もうすでに9:10はすぎています。 さすがに、大木さんの部屋に電話をかけることにしました。電話をかけると、 むこうも覚悟していたのか、相手がだれかも確認せずに、 「はい、はい、行きまあす」との返事。そして、まもなくお二人も降りて きました。チェックアウトをしていましたが、服部さんには追加で電話代金 の請求があったようです。 我々は車に乗りこむと一路レックスホテルにむかいました。 ホテルへむかう途中の道はわたしの知っているところでは、北九州をおもわせる ような感じの道と町並でした。なんとなく雰囲気が似ています。 道中で服部さんとParkさんが話しています。 「日本IBMの方がレックスホテルに滞在しているそうです。 なんか服部さんのお友達が服部さんの部屋に夜の10:00くらいに電話 されたそうですが、いらっしゃらなかったようで、、」 「はいはい、10:00 にはまだかえっていませんでしたよ。」後ろから 声がかかってきます。「ええ、その友人なら昨日遅く、電話で話ましたよう。 でも、レックスホテル?そうじゃなくてハミルトンだと聞いていましたよ」 服部さんはこの時点でもまだ疑っていました。 もしかして服部さんの友人はレックスにもハミルトンにもいるのでしょうか? そうではなかったようです。昨日、友人はレックスホテルから電話をかけて きたらしいです。 ということは、ハミルトンにいくら電話してもいるはずは なかったのです。 そのレックスホテルにはいったいどういった連中がきているのですか? ちょっと待ってください。そういうと Parkさんはバッグからリストを とりだしました。で、大木さんがそれをとりあげ、お名前を読みはじめます 「ヤマダタロウ,キタムライチロウ、タナカカズオ、、」その読み方を聞いて なんか亡くなった方のお名前をニュースで読んでいるときの読み方みたいですね とひやかすものもいます。 筆者注) 名前は架空のものです。 合流される方のお名前はなんというんですか? 「イノウエさんです。」 そうこうしているうちに、ちょっとごみごみした所に車がはいっていき、 「 はい、レックスホテルにつきました。」 みると、ホテルの裏側にとまったようです。 「ちょっと、わたし行ってきます。」Parkさんは車のドアをあけて小走りにかけて いきます。 ややあって、服部さんも降りて、「もしかしたら友達がいるかもしれ ませんし、わたしも降りてみてきます。」 と車をおりて入口をさがしはじめました。 服部さんは、左にいき右にいき 入口をさがしています。しかし、なかなかみつからないようです。 それもそのはず、こちらはホテルの裏側ですので、いくらさがしても正面玄関が みつかるわけはありません。服部さんがあきらめて車に戻ろうとするところに メンバーから声がかかります。 「服部さん、入口は反対側ですよ反対側」「ああ、そうだっけか」服部さんは 自分の頬を軽く手でたたきながら表玄関のほうへ小走りにむかっていきました。 行ってしまってから車中は服部さんの話でもちきりでした。 「まったく、おもしろい人ですね。疑うことを知らない性格というのか、素直な 性格っというか。」「わたしはいつも 同室だから、よく知ってるんですけど この二日間もくしを忘れたから貸してくれっていうわけですよ。」 「 へえ、くしをねえ。 」 ところが今日の朝になって、かばんのポケットを見ていたら「あ、くしがあった」 とこうなんですよ。」 「 わっははっは。」 服部さんは、本当にみんなに愛される良い性格をしておられるようです。 二人がなかなか戻ってこないので、わたしも様子をみてきますといって ホテルのフロントにはいっていきましたが、だれもいない上になんか 薄暗く変な感じでした そこで、こわくなって戻ってきましたが、 服部さんたちはだいじょうぶでしょうか?と、心配しているまもなく Parkさんと服部さん、それに井上さんという方とさらには服部さんの友人も 一緒になってでてきました。服部さん、井上さんは車に乗りこみ 残っている友人に別れをつげました。 次の目的地は景福宮です。 第10章 終わり