第11章 観光
景福宮とは、ソウルに観光にやってきた人がまず最初にいくというほど 観光の名所なんだそうです。車は一路その目的地へむかって走りはじめました。 「井上さんは、どちらの事業所の方なんですか?」 「わたしは六本木になります。皆さんはどういう集まりなんですか?」 「碁の集まりです。」 しばらく、新しくメンバーとなった井上さんとの話が続きました。 しかし、本日の観光を希望されている方が井上さんただお一人とは妙ですね。 「他の連中は今日はどうすごす予定なんです?」「ねてますよ」「は?」 聞くと、昨日は焼き肉のパーティーだったそうだが、そのときの深酒がきいて いたのか大部分の方がお休みになっていらっしゃるそうだ。 韓国にせっかくきたのにもったいないような話ではある。常連なのでしょうか? 車はまもなくソウル一の名所景福宮についたこう漢字で書いて キョンボックンと 発音するから難しい。なるほど名所だけあってなかは観光客でごったがえしている 様子です。中には韓国の昔の史跡や資料コーナーなどがおいてあり、 おもな史跡の前では 写真をとりました。
韓国の昔の建造物をみていると、韓国の文化も 日本のそれもルーツはかなり似ているようです。途中で食べ物なども陳列されていました。 考えてみれば日本の昔の食べ物はどんなだったかということ自体詳しくなかったので このような展示には興味をもちました。 昔の武器、昔の服装、家屋などいろいろなものが陳列されていておもしろかったです。 さすがに説明はハングルでしたので読めなかったのが残念でしたが、、 途中で昔の書物をいれていた倉庫というところに案内されましたが、 いかにも時代がかっていて豪壮な雰囲気の倉庫です。しかし、中の 火事ですべてやけてしまったそうです。
途中で中国人観光客にも遭遇しました。 また、日本人も多くいるようです。 また結婚式をあげているカップルも数組みられました。ただ、我々が気になったのは 親類一同が全然きていない様子のところがあって、そのあたりのところはどうなって いるのだろうとおもったことです。 いずれにしろ、短い間でしたが韓国の歴史や文化にふれられたのは貴重な体験でした。 車に戻ると運転手がグースカピーと昼寝をしておりました。Parkさんに起こされ あわてて起きたようです。「Are you sleepy? 」大木さんが声をかけましたが、 ただ、待っているだけなんていうこんな仕事も楽ではないでしょう。 次に車は紫水晶(アメジスト)の店にとおされました。 「ここで、紫水晶の工場の見学をしまあす」と添乗員に説明されたときは いきなことをするなあとおもいました。 はいってすぐおばさん風の人がでてきてアメジストの説明を流暢な日本語で 話はじめました。すぐそばではいかにもアメジストを作っていそうな 一畳くらいの部屋がありますが、作業をやっているのは一人だけ。 (その部屋はガラスをとおして中をみれるようになっています) そのおばさん、説明は一分だけ、あとは商売でした。中にはアメジストや 関連の宝石がショーケースにならびたてられて「はいこっちですよお。」 と商売根性がかなり旺盛なおかたばかり、しかも全員が日本語が堪能。 そんななか、あるおばさんが私に声をかけます。「大変お安くなっております おひとついかがですか?」私は「オルマイムニカ」いくらですか?という 韓国語で応対しました。そのおばさんは日本人の私がハングルを話したのに 感激したようです。日本人(私)と韓国人の心が通い合った瞬間でした。 いっそう微笑み感激しながら「はい、これは二万円になります!」と丁寧な 口調で回答しました。「なんだ、高いなあ。」私はさっさとたちさり、通じ あった心は3秒でこわれてしまいました。 だまされたか、うまくのせられたかおみやげの品をけっこう買った方も いらっしゃったようです。 その後はソウルからはちょっとした遠方になりましたが、かなり先の38度線の 統一展望台という北朝鮮が一望にみわたせるという山の上 の場所にいきました。![]()
車はふもとにおいて展望台には、バスで行くことになりました。 日曜とあって、かなりの人出でした。 行ってみるとなるほどリムジン川をへだてて よく見ることができます。北朝鮮までは家屋や田畑などがあり生活している 様子があるのです。望遠鏡(有料)があったので、のぞいてみると、、「おお、人が 歩いている!歩いている!」大木さん、と田島さんがさわいでいます。 わたしも見てみましたが、なかなか発見できませんでした。しかし、ついに みつけました。「あ、ほんとだ歩いているよお」 北朝鮮の中の道路で白い服を きている人が歩いています。人が歩いているのをみてこんなに感激したのは初めて。 その後、北朝鮮の人のくらしぶりを写したビデオを見ましたがなんていうか 普通なんですよね。われわれの数十年前のくらしと全然かわりません。 こんな国が飢餓で苦しんでいるとはなんともかわいそうな話です。 そうこうするうちに、北朝鮮のほうからなにやら声が聞こえてきます。 どうやら、かなりでかい拡声器を使用してなにか叫んでいるらしいのですが もちろん意味はわかりません。ガイドさんの話では韓国の悪口をいっている らしいです。また、これは後で聞いた話ですが、あんな場所にあんなに 家屋がたくさんあるのはおかしい。しかもあれだけあって、人はほとんど見えない。 展望台からはよく見えるようにわざと作っているのではないか?との説明がありました。
展望台からおりてくると、Fast Foodで食事をしました。買いものにはすっかり 慣れたみたいで問題は発生しませんでした。 帰りぎわ花見をしている家族に遭遇しました。それにしても花見ができそうなところで やっているならともかく、なんの変哲もない歩道で敷物をひいて弁当を食べています。 「なにもあんなところで食べなくても、、、」 帰りの車中では、秋の合宿の話もはじまっています。そういえば春の合宿は尾崎さんの 一人舞台でしたねえ。「ほんと、本戦は、1敗しかしてなくてすごかったですねえ。」 大木さん、めずらしく尾崎さんのことをほめています。「実はその1敗はわたしがつけた ものなんですけどね。 」なんだそれがいいたかったのかあ、社内は騒然となりました。 第11章 終わり