親愛なるみなさんへ オリンピックも折り返し点を過ぎて、あっと云う間に後4日間となりました。 表面的には何事も無く進んでいるようですが、舞台裏ではいろいろなことが起きて、 それはそれでエキサイティングな日々を送っております。 以下に、仕事が終わった後、少しずつ書き留めた「オリンピック'あれこれ'」を お送りします。 私の役目はPMO(Project Management Office)として、情報システムの問題点や、 また、 IBMにとって良い面をレポートにまとめて、毎日発行することです。 このレポートは英訳し、US(Mr.ガースナー)へ送りますが、その際、長野に駐在 している US IBMのスタッフとレポートに書く内容で朝方まで議論になること があります。 また、レポートに入れる、統計的なデータは1日のゲームが終わってから出てき ますし、問題があれば原因を突き止めてから報告書に記入しますから、 毎日午前3〜4時、時には6時頃まで勤務します。競技に関係する情報システムは 2月1日から本番稼働していますので、このような状態がもう18日間続いています。 長野駅の周辺に外国人のダフ屋が多くいるのにびっくりします。 さすがはオリンピックだと思う半面、長野までやって来る人間のたくましさに 驚嘆します。 もっとも、東京あたりで同じような商売をしていて、ちょっと新幹線に乗って 来たのかもわかりませんが、、、。しかし、毎日駅のコンコースを歩いて NAOCまで通っていますが、チケットを売る時の彼らの日本語が日増しに上手に なるのが良くわかりますので、やはり海外から来たダフ屋の新人(エイリアン)では ないかと思います。 彼らが話している言葉を良く聞いていると、いろいろな言語が飛び交っています。 そのうちダフ屋のオリンピックが開催できそうです。 因に、日本人のダフ屋をほとんど見かけないところをみると、戦後、進駐軍に 占領されていたころが思出されます。 それから、ピンを販売したり、交換したりするのが、こんなに盛んだとは知り ませんでした。在庫5万個のピンを販売している所があるかと思えば、中には ピンが10個位しか無くても、タオル地に奇麗にピンを刺して、雪で濡れた道路 の上に並べている人がおります。まったく、素人と思われる人が、ミカン箱の ような台を置いて、ピンを売っています。これも一つのオリンピックの楽しみ方 なのでしょう。これらもほとんどが外国人で、中には可愛い子供連れの家族が 商いをしているのを見かけます。 2月7日の開会式当日、朝4時に仕事が終わって家で寝ていたところ、7時半頃友達のBillから 電話で、「開会式に行きたくないか?」と言うから、「勿論、行きたいけど、チケットが無い!」と、 返事をしたら「今からホテルへ行って寝るので、自分のチケットを使ってくれ」との申出があり、 喜んで開会式に行ってきました。 開会式は古式豊かな演出で、長野のイメージを巧みに織り交ぜていて、会場で見ていると心が和んで その日の天候のように晴れ晴れとしてきました。もっとも、最後の第九の合唱は20分近く立ったま まで、寒いうえに疲れてきて、折角の感激も少しずつ冷めてきました。 信州人の間でも、式そのものについて、盛り上がりに欠けるとか、小沢征爾の第九だけはよかった等 の賛否両論があるようですが、見ている場所や環境の違いで異見があるのはしかたがないのかも知れ ません。 開会式の終盤(碁で言えば、「寄せ」の段階、会社人生では退職間際)で、聖火台に火がともった時、 思わず両目の水晶体が曇ってきて、「長野に来てよかったなあ!」と感慨無量になりました。 もっと嬉しかったのは、会ってそんなに経っていない外国の友人が自分のチケットを、この私に譲って くれたことです。彼とは時々居酒屋に行って、家族のことや将来のことを語ったり、時には冗談を言っ たりしてはいましたが、まさか、あの日わざわざ私に電話をかけてきてくれるとは思いませんでした。 このように、今までいろいろな人達から5枚ほどチケット(その中にはFigure SkatingやAlpine Skiing Slalom等、是非観戦したいと思っていたのもありました) を貰いましたが、昼間寝ていたり、仕事で行 けなかったりで、開会式を除いて残念ながら一度も競技会場へ行くチャンスがありませんでした。 このまま、オリンピックは終わってしまいそうです。 先日、アイスホッケーのゲーム中、リンクサイドにあって、氷上の試合が一番良く見えるデータ・エン トリー・ルームに「報道陣がなだれ込んできて、PCを壊してしまった」と言う一報が入りました。 最初の情報では、アイスホッケーの試合がファイナル・ラウンドを迎え、少しでも良い記事や写真を とるために、熱中興奮した報道関係者が大勢侵入してPCに触った、と云うものでした。「すわっ、 一大事」とばかりに、大騒ぎして事実関係の情報を集め、対策を立てたりしているうちに、真相が分か ってきました。それは、データ・エントリールームとVIPルームが隣り合わせにあって、たまたま VIPの一人がバックアップ用のPCに興味本位に触ってアプリケーションを止めてしまったためでした。 ただ、原因は分かったものの、翌日のカナダ・アメリカ戦には大事をとって、室の前にバリケードを 作って、その上、IBMから屈強な男をデータ・エントリールームの前に張り付けることで、報道陣が 室に入るのを阻止することにしました。 その後、同じような報告がないところを見ると、効果はあったようです。 もうすぐオリンピックは終了します。残された日の無事を祈って筆を置きます。 また、お会いできる日を楽しみに! Susumu Hyodo IBM-J Nagano Olympic Project, Project Management Office 兵藤 進 Tel: 026-299-5425 Fax: 026-299-5642 Mail code:NOS-DN1