関東囲碁部報(2003-37)IBM囲碁大会記

IBM囲碁大会記   H15.9.18 記 高本 正

 IBM関東囲碁部主催の最大の社内大会であるIBM囲碁大会
は秋の気配が出始めた9月14日(日)市谷の日本棋院で開催された。 

午前10時に幹事団が揃い、池野幹事の段取りよろしく受付
と1回戦の組み合わせが決まる。

大木部長の挨拶、岸原副部長によるルール説明があり、
無差別、A,B,Cの4クラスに別れて対局は開始された。

3階の椅子席は80人の定員に対し、参加者は半分の40名、
丁度、席が1間トビで使える余裕である。
昼食後には小津元常務も元気なお顔を見せられ、盛会に喜んでおられた。
小津さんは今年、日本棋院から大倉喜七郎賞を授与されるほど、
我国の囲碁界において著名であり、このIBM囲碁大会も
小津杯として冠を戴きすでに15年続いている。
 無差別の優勝者には小津さん寄贈のグリーンカップが授与される。
また、この大会の成績は年中行事としてすっかり定着した真形杯の
成績にも反映されることになっており、勝利を目指して皆さん真剣な
対局態度であった。

 各クラスの進行の模様は担当の方々の自戦記に譲り、
  各クラスの成績優秀者を報告する。

 無差別: 8名  全互先、 4局  持時間各50分
      優勝  遠藤 隆雄  4勝
      2位  吉田 嶽彦  3勝 1敗
      3位  賀陽 敏彦  2勝 2敗
 Aクラス: 10名 真形ルール 5局 持時間各40分
      5.5段〜4.5段
      優勝  立石 進一  4勝 1敗
      2位  佐藤 勝久  4勝 1敗
      3位  滝 賢治   4勝 1敗
                  (スイス方式による順位)

 Bクラス: 10名 真形ルール 5局 持時間各40分
      4.5段〜3.5段
      優勝  一條  元 5勝 
      2位  中山 孝雄 4勝 1敗
      3位  平林 章  3勝 2敗
                    
 Cクラス: 12名 真形ルール 5局 持時間各40分
      3.5段〜2段
      優勝  小田島 一雄 4勝 1敗
      2位  山崎 洋一  4勝 1敗
      3位  森 一基   4勝 1敗
                    (スイス方式による順位)
各クラス戦況レポート担当
 無差別     高本 正
 Aクラス  佐藤 勝久
 Bクラス  古川 康雄
 Cクラス  山崎 洋一
 
無差別クラス 記、高本 正

 例年強豪が集うのだが、今年は金沢、中村、池上、深尾、加藤(敬称略)といった
強豪が不参加のため、参加者の上位8名で優勝を競った。遠藤7.5段が最高位で
優勝候補の最右翼と見られた。ハンデキャップなしの全互先、持ち時間は各50分。

 左の山から1回戦を勝ちあがった遠藤7.5段対岸原6.5段は白番岸原6.5段
が細かい碁に持ち込む。盤側でも形勢判断が難しい。作ってみると何と黒7目勝ち、惜
しいかな岸原6.5段半目負け。右の山の1回戦を勝ち抜いたのは吉田7段と松谷7段
、こちらの碁も細かい勝負である。白の吉田7段が勝ち上がった。3回戦は2勝同士の
 星のつぶしあい、いずれが優勝に前進するか大事な一局。白の遠藤7.5段が
 「困った、困った」としきりにこぼす。盤側から覗くと大きな白石がとられて、
 はっきり黒が良い。吉田7段の会心の勝利かと思われたが、吉田7段得意?の
 時間切れとなった。薄氷を踏む思いながら遠藤7.5段が3連勝で大きく優勝に
 前進した。4回戦の相手は右の山で2勝1敗の山口6段、勢いのついた遠藤7.5段
 が4連勝で優勝を飾り、グリーンカップ(小津杯)を手にした。
 当分、遠藤氏の上昇気流はとどまりそうにない。      以上


遠藤さんは、前回に続き、連続優勝です。前回も4-0、今回も4-0でこれで8連勝
これまでの記録では、中村さんの三連覇があります。来年にも注目です。
遠藤さんの三連覇を阻む強豪の登場にも期待したいですね。

(岸原追記)

 A クラス

 佐藤さんの報告記が届いておりませんが、実は、佐藤さんは、連日、工事の
 仕事がはいっており、ご多忙の様子です。大会当日も仕事がはいっていて、
 朝、仕事をして、大会にかけつけ、大会がおわると、表彰式を欠席して
 仕事にむかうというモーレツぶりでした。

 さて、このクラスでは、その佐藤さんが、気合いの碁で、2位にはいり、
 6段昇段をはたしました。実は数週間前の箱根のPrivate Mini合宿で、
 ぶっちぎりで優勝、このとき、他の面々に昇段を約束していたのですが、
 みごと達成されました。

 おめでとうございます。

 優勝したのは、立石さん、段位をこえた実力の持ち主です。

 立石さんは、佐藤さんとの直接対決で、佐藤さんの比較的、多い石を3箇所も
 めしとり、みごと勝利、(いかにも立石さんらしい豪快な碁でした。)
 これが優勝の原動力となりました。 
 (ただし、私がみたところ、一箇所は少なくとも無条件で死ぬ石ではなかった
 ですよ>佐藤さん(笑)

 (岸原代筆) 

B クラス

09/14囲碁大会Bクラス観戦記(自戦記)を送付いたします。

Bクラスは一條さんがぶっちぎりの5連勝で優勝、同時に4.5段に昇段を決められま
した。一條さん、おめでとうございます。

私のほうは最初に連敗したため上位陣と対戦することも無く残念な結果となりまし
た。Bクラスの優勝争いの模様はよくわかりませんので私の自戦記を届けさせていただ
きます。

一回戦 黒:古川4段 白:藤田4段 コミ6目半 黒時間切れ負け
藤田さんは常に正確な碁を打ち小さなミスでも情け容赦なく見逃さずとがめてきま
す。

序盤中盤は大した失敗もなく終盤を迎えコミがかりぐらいの細かい形勢でした。
黒が少しでも白中央の地を削減しようと入っていった手が無理で元切の筋を見逃さ
れず侵入した黒6子ぐらいが丸々切り取られてしまった。
これが敗着でその後何とか手がかりを求めようとあがいてみたが付け入る隙なく対
応され黒の時間切れ負けとなった。

2回戦 黒:和田3.5段 白:古川4段 コミ無し 白3目半負け
和田さんとはずっと以前に勝った記憶はあるが前回は負けている。
序盤黒が右上隅星の白にコゲイマかかりから両ガカリにこられ白は脱出が難しく苦
しい打ちまわしとなった。
その後攻め合いの中で黒の見損じが出て逆に10子ぐらいのカナメ石を取ることがで
き右辺一帯が確定地となり白必勝の形勢となる。
しかしここから白がふるえて黒が左辺、中央で着々と地を稼ぎ終盤には盤面勝負の
形勢となる。
その後白必死に寄せるも数えてみれば盤面黒4目残り0.5段差でコミなしのため黒
勝ちとなる。
序盤がうまく行き過ぎて大石さえ死ななければ勝ちだと楽観して黒の追撃にうまく
やられてしまいました。

3回戦 黒:古川4段 白:湊4段 コミ6目半 黒時間切れ負け
湊さんは常に優勝争いに入ってこられる方で2連敗同士で3回戦で対戦するとは思い
ませんでした。
序盤は黒が左上隅小目一間高ガカリからの折衝で左辺がうまくまとまり右辺には両
隅星に黒が先着していて黒が打ちやすい形勢となる。
しかしその後白がうまく打たれ終盤では細かい形勢でヨセ勝負となる。
黒は終局間近でヨセの手を考え過ぎて時計の針が落ち時間切れで黒の負けとなる。
最後まで並べてみましたがやはり白が良かったようです。

4回戦 黒:古川4段 白:高橋(巌)4段 コミ6目半 黒中押し勝ち
高橋(巌)さんとは初対戦です。
昨年優勝の実力どおり序盤白左辺でうまく打たれ黒まとまりが無く白勝勢となる。
右辺を大きくまとめないと黒は勝負に持ち込めない形勢で白が右辺に打ち込んで来
て黒は成算は無いがその石を取りにいくしか仕方が無い。
白は軽く活きていれば良かったのにアジ良く活きようとしたため欠け目の見損じが
生じて中では二眼が出来なくなってしまった。
黒は白の外への脱出を断ち切ることが出来て右辺に打ち込んできた石を全て召し取
ることになり形勢は逆転してしまった。
その後白は勝負手を放ち何とか逆転を試みたが黒慎重にシノギ切り黒勝ちとなる。

5回戦 黒:木谷4段 白:古川4段 コミ6目半 白勝ち
木谷さんとは相性が悪く最近はほとんど負けている。
序盤黒は左辺3連星、それに対して白は右辺両隅星を占める。
右上隅白の小ゲイマカカリから三々入りに対して黒は上辺から押さえて上辺模様化
を図る。
中盤黒は上辺から中央にかけての大模様を形成し、白は左辺、下辺、右辺の地で対
抗する。
終盤白が右下隅黒手抜きの所を先手ポン抜きに回ることが出来て白が若干優勢とな
る終わってみれば両者80目前後の大地となったが盤面10目ぐらい白が残り白勝ち
となる。

日本アイ・ビー・エム(株) ITSソリューション推進・ビジネスサポート・セン
ター 古川康雄
Tel:03-5644-2743 FAX:03-3664-4772 e-mail:e14210@jp.ibm.com

一條さんは、前回の真形杯でも5-0、今回も5-0とのりにのっています。
勝ち点12をとって余裕の4.5段昇段です。まだまだ勢いがあります。
このあとの合宿での活躍も楽しみですね。

(岸原追記)

C クラス

 (山崎自戦記)
 (一回戦) 小田島3.5段(黒6.5目コミ出し)対山崎3.5段
  小田島さんの碁は中央志向の厚い碁で、今回もそうなるのではないかという予感
があった。

 序盤黒1右上、左方の高目、黒3右下、上方の高目に白2,4を2連星に受け、
黒5下辺星に展開し、白6右辺星下に割り打ちから始まった戦いで、中央を黒にキカ
された上に黒の右下から下辺が手付かずでまとまりつつある情勢となり、少し無理と
は承知で中央の黒一子を出切りに行って中央の戦いとなった。ただ生きただけでは形
勢が悪いので戦線を広げて進んでいったところ、お互いに相手の石を取り合って中央
が生き生きの別れになったがかなり白がもうけたようで、この段階で形勢が細かく
なっていたようだ。このあと、ちょっとした危ないやりとりがあって、白の5.5目勝
ちで終わった。

 (二回戦) 井伊2段(2子0.5目コミ出し)対山崎
 井伊さんの打ちぶりにはいつも迫力を感じていたが今回はそれを感じなかった。
序盤から中盤にかけて中央に白が厚みを主張し始めると、模様とまで行かないう
ちに、早々と消しの一手を放ってきた。どうもその一手で遅れがでたようで白優勢で
進むうちに黒の大石が頓死してしまった。これは碁は終わってしまったと思っている
うちに終盤近くに劫が起こり、相手の劫立てが両当たりだったのをうっかり見損じし
て死んでいた大石を生かしてしまった。結果は10数目の負けとなった。しかもその
劫は小さい物ではないが譲っても全然勝負には関係ないものであったとは、トホホ
ホ。

(三回戦) 半田二段(2子0.5目コミ出し)対山崎
  半田さんとの碁は内容をよく覚えていない。ただ途中のあちこちの戦いでこちら
で決めにいこうとすると、そのつどしぶとく抵抗されて難渋した。また、途中こちら
がアブナイと思うようなところがあったと記憶している。それで、白が勝ったのだが
どういう勝ちだったか、思い出せない。

 (四回戦) 国吉三段(黒0.5目コミ出し)対山崎
国吉さんとはいままで五分五分の勝敗で来ていると思う。この碁は中盤まで黒や
や優勢か、あるいはかなり細かいのかなと思いつつ、打っていたが、国吉さんの見損
じで切断された黒石に死にがあって、中押し勝ちした。

(五回戦) 勝又二段(2子0.5目コミ出し)対山崎
 勝又さんはこの日は気合が入らないらしく、時間もあまりかけずにすいすいと
うってくるので、こちらもそれにゆられてすいすいと打ってしまったが、単調な展開と
なり、印象の薄い碁であった。この碁も自分が勝ったのは覚えているが
どういう勝ちだったか、思い出せない。

(スイス方式)
今回くじ引きでC12を引き、対戦表の一番下に来た。その結果、第三回戦以下
の対戦者がいつも私より一勝少ない相手ということになり、これはスイス方式で順位
決定となったときに不利になるなと思いつつ最後の結果を見たら果たしてCクラスは
首位4勝1敗が三人となった。それで私は小田島さんに勝っていながらも二位となっ
てしまった。しかし、スイス方式スイス方式というものは、わたしが、当日調子の悪
かった第三回戦以下の対戦者とあたったために4勝1敗の成績が取れたということ
を意味しているのだなと思ってなるほどなと納得しています。

 山崎洋一


小田島-嘉瀬戦を観戦しましたが、嘉瀬さんの猛烈アタックに厚い碁で、堂々と
よりきっていました。このとき、小田島さんの強さを感じましたが、みごとな優勝
です。

(岸原追記)

IBM関東囲碁部