関東囲碁部報(99-046)10/19/99 日韓大会−その3 雪嶽山で出会った謎の韓国人
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雪嶽山で出会った謎の韓国人
遠藤昌宏記
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さる10月8日昼前、韓国雪嶽山山中で、日本人観光客が韓国人に誘拐さ
れたとの情報が流れました。一時は日韓両国の外交問題に発展するのでは
ないかと懸念されましたが、4時間後、日本人観光客は宿泊先の大明コンドミ
ニアムに無事帰還し、両国の関係者一同はホットしました。記者が調べた事
実は以下の通りであります。
日韓交流囲碁大会と雪嶽山観光ツアーに参加した日本IBMの社員、定年
退職者17人(ご婦人3人を含む)は、10月10日の日韓交流囲碁大会を前
に、雪嶽山ハイキングを楽しむことになりました。光る岩盤、水煙をあげて流
れ落ちる清流、聳え立つ岩峰、取り囲む色づき始めた木々、水の音、さわやか
な谷風...。雪嶽山は、その大自然をもって一行を迎えてくれました。
登山口の雪嶽小公園で、土旺城瀑布(トワンソンポッポ)コース組、蔚山岩
(ウルサンバイ)登山組、千仏洞渓谷(チョンブルドンケゴク)登山組と3班に
分かれ、記者ら千仏洞渓谷組13人は韓国IBMの姜(カン)さんの先導で、奇
岩、奇峰、原生の木々、ダイナミックな渓流沿いの遊歩道を飛仙台(ピソンデ)
に向かいました。
歩くこと1時間、千仏洞渓谷入口の飛仙台に到着。一般観光客は飛仙台ま
でで引き返すことが多いそうで、そこには売店やレストハウスがあって、大勢
の遠足の生徒達、家族連れで賑わっていました。
飛仙台で自称健脚組のAグループとその他のBグループに別れ、Aグルー
プは大青峰(デーチョンボン、雪嶽山の最高峰、1708m)手前の鳳頂庵(ポ
ンジュンアン)を目指し、Bグループはその途中にある鬼面岩(クイミョナム)
までの約1時間のトレッキングを楽しむことにしました。
記者はAグループ(姜さんを含め8人)に従い、渓谷を取り巻く奇岩、奇峰の
群れを千体の仏像に見立てて、そう名づけられたという千仏洞渓谷に入りま
した。山梨の昇仙峡を何倍にもしたスケールです。要所要所には立派な鉄
梯子や橋などのサポートが設備されていて、ハイキング気分で十分に登れる
コースです。
歩くこと約1時間、鬼面岩に到着。千仏洞渓谷でも最も見応えのある所で、
まさに水墨画そのもの、仏や仙人の住み処があり、我々を迎えてくれるような
...
前日の蔚山岩登山の疲れか脚が張るので、松谷さんと記者は飛仙台に戻
ることにし、健脚組と別れました。後続のグループに何処で会えるか楽しみ
に下りましたが、会えないまま飛仙台まで下りてしまいました。さて一休みと、
レストハウスに入ると、Bグループの皆さんがビールを飲んで昼食を摂ってい
るではありませんか。早速参加し、そこで聞いた話は以下の通りです。
Aグループに遅れること15分、ご婦人1人を含むBグループ6人は、Aグル
ープを追って鬼面岩を目指しました。歩き始めて3分、飛仙台の橋を渡ったと
ころで、千仏洞渓谷と摩登嶺(マドゥンニョン)への分岐点に出ました。地図は
持っていないし、案内板は全てハングル文字。唯一理解出来るのは「50」と
いう数字だけです。渓谷方面には金網の入口があります。
「そういえば遠藤さんが鬼面岩まで50分と言っていたな。」ということで、高
本団長の決断のもと、一行は摩登嶺方面への急登にチャレンジしたのでした。
息も絶え絶えに直登15分、一息入れているところに、1人の小柄な韓国人
が追い付いてきました。日本語を少し理解出来る様子で、一行に話しかけ、励
ましてくれたので、彼を先頭に再び登り始めました。彼は先になり後になりして、
とても親切に皆を励ましてくれました。
悪戦苦闘30分、やっと金剛窟(クムガングル)まで辿り着くと、あたりは静寂
の中、お経の声が響く、まことに霊験あらたかな雰囲気のところでした。
一行6人の内、工藤さんはまだ元気でしたので、その韓国の男性と登り、A
グループを追うことにし、他の5人は飛仙台に戻って昼食をとっていたのであり
ました。
「アラ。どうしたのですか。途中で会えるものと思って、探し探し下って来たん
ですよ。」「そんなに急な登りや、危ないところもなかったのに何処で引き返した
んですか。」「イヤイヤ 大変でしたよ。岩はゴロゴロ、四つん這いになって登って
。ホレ、あの岩峰の頂きあたりまで登ってきましたよ。」「アレ、マー、 渓谷の入
口の分岐点で右に登って行ったんでしょう。そりゃー大変だ。」「大変は大変だ
ったけど、いい経験でしたよ.上は霊域で、霊験あらたかな雰囲気で、お経と
木魚の音が聞こえましたよ。」「それはそうと、工藤さんは元気で、途中で出会
った韓国の男の人と一緒にAグループを追って登山を続けているんですよ。」
「エッ、ナンデスッテ!全くの逆方向なのに。」「その韓国人は大青峰への迂回
路でも知っているのかな。直登しても、健脚者で5時間もかかるというし、Aグル
ープも稜線までは登らないと言っていましたよ。」「地図も持たず、食料も持たず、
心配だな。」「大丈夫だよ。親切な謎の韓国人が一緒だから。」「でも気持ち悪い
ほど親切だったよな。」「日本語を少し話せるから、日本人に興味があるんじゃな
い。」「マー、行ってしまったものは仕方がないよ。皆で工藤さんの無事な下山を、
あの岩峰に祈ろう。」(一同、手を合せる。)
工藤さんのことを心配しながらも、小公園を後にし、3時過ぎ大明コンドミニアム
に帰りました。 4時頃、工藤さんの元気な声。「今、帰りました。この方がIBMの
朴(パク)さんです。」「皆と別れて、朴さんとAグループを追ったんだけど、どうも
道を間違えているようだと、朴さんが言うし、疲れてしまったので飛仙台に下りた
のよ。そこでビールを飲みながら色々話をしていたら、韓国IBMの人と分かって
ビックリした訳。」「いやあ、謎の韓国人に山中で誘拐されたんじゃないか、と心
配していたんだから。」
後日談(その1)
囲碁大会打上げの席で
「朴さん、雪嶽山で工藤さん達と会ったとき、日本IBMの人達だと分かって話し
かけてくれたの。」「日本語、話してたから多分そうだと思った。」「何故、自己紹
介したり、握手したりしなかったの。」「.....」
朴さんは雪嶽山からソウルに観光しながら帰るための車を運転して、わざわざ
早朝にソウルを発ち、姜さんと携帯電話で連絡を取りながら、我々を追いかけて
登山。そして彼もBグループの人達のように道を間違えたので、Bグループの
人達と会うことができたのでした。
後日談(その2)
成田から上野に向かうスカイライナーの中でツアーの思い出話をしていて、こ
の誘拐事件が話題になりました。するとBグループに参加していたご婦人が、
「ところで、その朴さんて、一体誰なの。」 それほど寡黙で渋い男でした、朴さ
んは...
朴さん、どうも有り難う。来年は是非日本に来て下さい。今度は私たちがどこか
であなたを誘拐しちゃいますよ。
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