IBM囲碁部報16023: 第6回ユニシス・IBM親善囲碁大会結果報告
第6回ユニシス・IBM親善囲碁大会が9月10日(土)13:00から
八重洲いずみ囲碁ジャパンで開催されました。
試合は、双方15名ずつの選手を3名ずつ5つのチームにわかれてチームの勝敗を
1回戦毎にカウントするチーム対抗戦形式で行われました。
また、対局は双方申告段位にもとづく真形ルール(1段差逆こみ)採用の
40分切れ負けルールで行いました。
出場選手一覧
Aチーム
01. 大串 天光 七段
02. 岸原 達也 七段
03. 松谷 治 七段
Bチーム
04. 徳田 隆行 六段
05. 高本 正 六段
06. 山内 裕介 六段
Cチーム
07. 及川 捷三 五段
08. 中原 義彦 五段
09. 瀧 賢史 五段
Dチーム
10. 古川 康雄 五段
11. 鈴木 準 四段
12. 赤川 均 四段
Eチーム
13. 林 義光 三段
14. 長井 憲章 三段
15. 金子 裕彰 二段
結果は次のとおりでした。
カッコ内は個人成績(IBM-ユニシス)
1回戦 5-0 IBM 勝ち (13-2)
2回戦 3-2 IBM 勝ち (9-6)
3回戦 2-3 IBM 敗け (8-7)
チーム成績
Aチーム 1勝2敗
Bチーム 2勝1敗
Cチーム 2勝1敗
Dチーム 3勝0敗
Eチーム 2勝1敗
今回は団体優勝と同時に個人成績でも30勝15敗と勝ち越し、完全勝利でした。
この結果IBMは団体で2勝4敗、個人で133勝137敗の通算成績となりまし
た。
成績優秀者(3戦全勝者)
IBM : 中原義彦五段、古川康雄五段、鈴木 準四段、赤川均四段、長井憲章
三段
(長井三段は昨年に続く2年連続の快挙です)
ユニシス : 佐藤七段
親善戦終了後は、同じ会場内にある、休憩エリアを借り切り、ビール、おつまみを
楽しみながら、懇親会、成績発表・表彰式と和やかにユニシス、IBMの友好を
深め合いました。
観戦記
【Aチームの観戦記(松谷さん)】
いずみ碁で午後から棋戦のあるときは、昼食は東京駅構内Granstaにある
「仙台たんや利休」の牛タン定食に決めている。行ってみるとノースコート一帯が
工事中で、移転しているとのこと。やっとのことで探し当てたが、店がずいぶん小さ
くなっている。
いつもは30人近く並んでいるのが数人しかいなかったので、これなら意外と早いかも
しれないと思い店の人に尋ねてみると、整理券を受取り、券に印刷されている
QRコードをケータイに読み取ると、順番が近づいたら連絡するとのこと。
ちなみに今どのくらい待っているのか聞いたところ、30人はどで40分〜50分待ちとの
ことである。それでは、「赤坂離宮」のチャーハン店に行こうと思い探したが、
工事中のため閉店していた。
しかたがないので八重洲口のキッチンストリートに出て、「広東焼麺南国酒家」の
スーラータン焼きそばを食した。
それはそれで美味しかったが、牛タンに比べてスタミナ不足の心配がある。
さて、ユニシスの相手は津田八段、佐藤七段、金井六段である。
第1戦 対金井六段(白番、5目半逆コミだし) ○
金井六段には2年前の第4回大会で負けているので、気合が入った。
黒が地を稼ぎ白が模様を張る展開となった。
黒は白模様に踏み込んで活きたが、あちこち薄くなった。
白は黒の弱石を分断して攻めて余得を稼ぎ、黒の疑問手もあって大差で勝利した。
他の対局を観る余裕はなかったが、大串さんも勝って1回戦はIBMが勝利した。
岸原コメント(私は佐藤さんと互先、乱打戦のような碁、最後は残っている感触
でしたがつくってみると1目半負けでした、すこし楽観していたかもしれません)
第2戦 対佐藤七段(白番) ●
白が地を稼ぎ黒が模様を張る展開となった。黒模様に侵入して活きることができた
が、振り替わりで白の数目が取られた。
その後キカシのつもりで打った手が味消しとなり、形成を損ねた。
必死に追い上げて細かい碁になったが、半目及ばなかった。
時間いっぱい頑張ったので、他の対局は観られなかった。岸原さんは勝ったがIBM
は負けてしまった。
岸原コメント(津田八段とはいつも細かい碁が多く、この日は逆コミがきいて2目半の
勝利となりました。)
第3戦 対津田八段(黒番、5目半逆コミもらい) ●
序盤、黒は得意の定石で白石を封鎖、白は受けていると地合足りずとみて大場を打っ
たため、取りかけに行った。
ほとんど取れていたのを、固く打ったつもりが反って捌きの調子を与えてしまい、
逆に黒石が取られてしまった。
勝負どころで集中力を書いたことが悔やまれる。
やはり、牛タンを食べ損なったスタミナ不足が原因と思われる。
時間に余裕があったので岸原さんの対局を観ると、相手の石を取りこんで、
地合いはかなりいいようである。
間違えさえしなければと思っていたが、確実に収束して勝利した。
大串さん(黒番)の碁は、大寄せの段階だったが、コミを出すのが厳しい局勢と見え
た。
相手の佐藤さんはしっかりした碁でそのまま寄せ切り、やはりコミがかりの負けと
なった。
岸原コメント(金井さんという六段のもの静かな方です、相手で白番逆コミでしたがこの碁はうちまわして
快勝、中押し勝ちとなりました)
【Bチームの観戦記(高本さん)】
Bクラスのメンバーは
ユニシス 大庭六段、矢沢六段、下村六段、
IBM 徳田六段、高本六段、山内六段 と
両チーム全員六段で接戦が予想された。
1回戦私の相手は矢沢さん。ユニシスチームを代表して挨拶
された方である。毎年対戦し、勝敗は拮抗している。
私の先番、ケンカ小目から足早に布石を進める。
星へのかかりに対し3間バサミして中央重視の作戦
ハサンだ石から中央へ2間トビして足早に展開、相手はジックリ
反撃を狙う。中央が厚く連絡型となり、局面をリードしたように思われたが、
地合は均衡しており難しい中盤から大ヨセに入る段階で、白に緩着が出た。
黒の下辺を破る狙いのアタリが緩着、私は中央の白4子を切り離しここで、
10目得した。その後の白の必死のヨリツキをかわしてそのままゴール。
黒丁度、盤面10目勝ち。 徳田さんも、山内さんも勝利し、IBM3−0
で第1戦を勝利した。
2回戦の相手は大庭さん、昨年負けた相手である。握ってまた黒番。
高い中国流から相手の星に小ケイマかかりするのが、私の白2連星に
対抗する布石作戦、白はふつう考えられない中国流のなかにはいる手を
打ってきたので、白を小さく閉じ込めて序盤から優勢を意識しながら
どこかで相手は勝負手に来るはずと予想しながら打ち進め、相手はいずれ
スキがでると考えていたが、私はスキを見せず、盤面20目の差で勝利した。
相手の布石の失敗に乗じた勝利、黒の会心局といえる。
山内さんも矢沢さんの大石を取って勝利、IBMは2−1で、第2局も制した。
3回戦の相手は下村さん、今度は白番。
すでにチーム2勝、私自身も2勝、親善試合としては責任を果たしている。
という気の緩みの出た1局となった。方々で地を稼ぎ、中央の大石が生きれば
勝ちという段階で、大石の生きの読みに誤りがあり、死んでしまった。
もう一歩踏み込んで考えなければならなかったが、油断してしまった。
徳田さんが勝利し、山内さんは負け、第3回戦はIBMの負けとなった。
しかし、Bクラスは2:1でIBMチームの勝利で、個人成績も6:3と圧倒した。
【Cチームの観戦記(瀧さん)】
☆ 第一回戦
<及川五段vs.中畦六段>
序盤から及川さんは着実に地を稼ぎ、その
見返りで白の中畦さんは厚みを造り、それが
まとまって大模様となり、一時は白が打ちやすいかと
思いましたが、中盤からの及川さんの打ち方は
とても巧妙で、(相手の手順ミスもありましたが)
白の大模様を見事に喰い破って大幅に減らし、
最後は地が足りなくなった相手の無理手を的確に
とがめ、大石を殺して白の投了となりました。
及川さんの攻めの強さと大局観の素晴らしさが、
遺憾なく発揮された会心の一局でした。
<中原五段vs.小野五段>
中原さんは最初相手の大石を獲りにいったのですが、
逆に獲られてしまい、一時は必敗の碁でした。
その後気を取り直して、双方のの弱い石同士の攻め合いを
制してからは形勢を逆転し、並べてみたら20目ほど
勝っていました。
<瀧五段vs.川北五段>
序盤戦は相手の眼の無い大石を追いながら地を稼いで、
好調な滑り出しでしたが、中原の双方の大石同士の競り合いで
緩着を一手打ってしまい、その後は攻守が逆転してやや私の
苦戦の碁となってしまいました。終盤には双方緩着が出たりして
闇試合となり、どうなることかと思っていたら、私のアタリの手に
相手が気がつかず手を抜いた為、相手に獲られていた大石が
復活、その瞬間、相手の投げの碁となりました。
(ここまでは、まだツキがありましたが・・・)
☆ 第二回戦
<及川五段vs.川北五段>
相手の川北さんは猛烈に攻めてくる方ですが、攻めの鋭さでは
負けない及川さんが珍しくその対応を誤りました。
及川さんの大模様四カ所に、次々と相手が消しに入ってきたの
ですが、どれもシノがれてしまい、勝利の女神にそっぽを
むかれてしまいました。(残念無念!)
<中原五段vs.中畦六段>
中畦六段はとても強い方です。中原さんも最善手、最強手を
繰り出して全力投球しましたが、形勢が悪いままヨセの段階に
入りました。
そして最後の最後に近い局面で、相手に痛恨の見落としが出、
中原さんの逆転勝ちとなりました。(碁では最後のミスが出た方が、
負けることが多いですね)
<瀧五段vs.小野五段>
出だしは一回戦と同じで、相手の弱い大石を追いながら地を
稼ぎ好調でした。その後も相手の弱石二つをカラミ戦法で追い、
局面をリードして行きましたが、ここら辺からいつもの悪い癖
(深追い過ぎ)が出てしまい、自分の大石の弱い方ではなく、
強い方に手入れをしてからは、もう防戦一方で、ついに大石を
獲られてしまい、その後も奮戦しましたが、五目半負けて
しまいました。
☆ 最終戦
<及川五段vs.小野五段>
及川さんの好調な打ちっぷりに相手は防戦一方で、攻め合いで
致命的なミスが出てからは、及川さんの楽勝の碁となりました。
(小野さんは、途中からあきらめ顔で、早目の投了となりました)
<中原五段vs.川北五段>
中原さんが相手をうまく攻め、中央を楽に囲って、余裕を持った
勝利となりました。(中原さん、抜群の強さです)
<瀧五段vs.中畦六段>
中盤早々に得意のポカが出てしまい、一局をその一手で失いました。
相手が私の2子を「次に取るぞ」と下がりの手を打ってきた時、よく読まないで
形良く一間に飛んで受けたのですが、この手がダメヅマリの大悪手で、根元を
堅くつぐべきでした。実戦ではその結果要石が抜けてしまい、碁もあっという間に
終わってしまいました。
中畦さんはやさしそうな感じのいい方で、局後の手直しでは、
そのつぐ手一手だけを悪手と指摘され、他の手で悪い手は一手も
なかったですよと、慰めてくれて、うれしく感じました。
(中畦さんは、アマトップクラスのように、碁に強いだけでなく、
アマ碁会の動き等にもとても詳しい方でした。私が先番で打てる
相手ではとてもないと感じました)
という結果で、我がCチームは3−0、1−2、2−1で、個人別には
中原さんが見事3連勝の偉業、及川さんが2−1、私は1−2と何とか
片目を開けさせてもらい安堵した次第です。
【Dチームの観戦記(赤川さん)】
メンバー IBM 古川5段、鈴木(準)4段、赤川4段(報告)
ユニシス 中村4段、黒沢4段、会沢3段
結果は全員3勝。
他のメンバーの対局を見る余裕がなかったので自戦記になります。
第一局 対戦相手 会沢3段 白(赤川)から逆コミ
相手は、序盤の定石はあまり詳しくないようだが、このような相手は力が強い。
中盤、白の中央の模様に入り込んできたが、うまくとがめられず生きられてしまっ
た。
大ヨセに入り、白は、左上隅の黒石の死活にかかわる一線のコスミを利かせて
左辺の黒地に大きく入り込む手を見せたところ、相手もコウになることはわかってい
たらしいが、生きるコウザイも効くところから、左辺の侵入を防いだ。
左上隅はコウになり、
結果白がコウに勝ち左上隅の黒石が死んだ。
最終的には、白十数目の勝ちとなり、逆コミも出せた。
他の2人も余裕をもって勝った様子。
第二局 対戦相手 黒沢4段 握りで白(赤川)
相手は、過去1勝2敗で私が負け越しているが今回3段から4段になったので、
にぎりで私の白番となった。定石などにも詳しく、終盤寄せ合いになり、細かい様
子。
時間があったので、数えたら相手の10目ほどの黒地を2度数えてしまって、
私が負けていたと思い、普通にヨセればよいのに悪い癖で、無理をして4目ほど損を
した。
もう一度数えなおしたら、コミがかり模様。
慎重にヨセて、結果盤面で黒4目多かったが、コミで白勝ちとなった。
第三局 対戦相手 中村4段 握りで白(赤川)
こちらの相手も過去私の1勝2敗。
前半で隣の古川5段の対戦相手の悲鳴が聞こえたので覗いてみたら、黒の石がとられ
ていた。
古川さんは、これまでCクラスだったので今回は楽だった様子。
私の対局は、中盤左下隅の黒の大ゲイマ締りにツケを放ち抑えに対してキリを打った
ところで、
相手の携帯電話が鳴った。
電話に「今、碁を打っているので後で」などと話し、電話を切ったあと、左下隅に手
を抜いて右上に打った。
終局後に聞いたところ、電話のため、左下の私のキリに気が付かず右上に打ったと錯
覚したとのこと。
結果、黒が最初に大ゲイマ締りしたところが、全部白地になり、白が勝勢となった。
その後黒は無理をしてきたが何とか対応して、黒の投了となった。
【Eチームの観戦記(長井さん)】
Eチームは石の取り合いのゲームが多く、子供の喧嘩(本人は真剣)のような碁が多
くありました。
なお、チーム成績は2勝1敗、個人成績5勝4敗の結果で、全体の成績に貢献するこ
とができました。
1回戦
林3段 VS 北川2段 下辺中央の戦いで損をし、4.5目負け。
長井3段 VS 吉村2段 白番高目からの定石で相手のミスに乗じ終始優勢に打ち進
め、
終盤には大石を召し取り中押し勝ち。吉村さんは初参加。
金子2段 VS 石木2段 劫の振り替わりで優勢に打ち進め、最後は隅の大石も取
り、35目勝ちの圧勝。
2回戦
林3段 VS 石木2段 大石を取り、中押し勝ち。
長井3段 VS 北川2段 中央の要石を取って(相手は捨てたと言っていたが)優勢
に打ち進め盤面15目勝ち。
金子2段 VS 吉村2段 大石の攻め合いで一手負け、中押し負け。
3回戦
林3段 VS 吉村2段 中央大石同士の攻め合いで相手ミスにより大優勢になる
も、惜しくも時間切れ負け。
(あと1分あれば勝っていたはず)
長井3段 VS 石木2段 下辺から中央の大石を撲殺、さらに隅の大石を召し取った
ところで中押し勝ち。
金子2段 VS 北川2段 劫争いで早めに(小さめの代償)で解消してしまい惜しく
も1目半負け。
完
ユニシス親善戦幹事 鈴木 準
IBM Japan IGO Club