第182回武闘派碁会の結果報告と、次回第183回(令和6年7月21日<第3日曜日>)開催のご案内

武闘派碁会登録、参加、および「写し」宛先のみなさんへ、

 ” =「無関心なひとびとを恐れよ」= ”  

    < プーチン氏に逮捕状1年 >

 今年の3月17日は、ウクライナ侵略を続けるプーチン露大統領が占領地からの子供の連れ去りに関与したとして、国際刑事裁判所(ICC)が戦争犯罪容疑で逮捕状を出してから1年だ。ICCのカーン主任検察官は「ウクライナの孤児院や施設から連れ去られた子供の多くはロシア国籍を押し付けられて養子に出された疑いがある」と指摘した。子供の受難はいまなお続いている可能性が高い。

 プーチン氏の隣国の子供たちへの非道を考えていてふと、シベリア抑留を描いた画家、佐藤清氏(1925~2014年)の一幅の絵を思い出した。今年2月、東京都千代田区内で開かれた没後10年の特別展「シベリア虜囚の祈り」に出展された「すれちがい」と題する作品だ。
 ロシア・極東の雪原の駅に止まった貨物列車の2両のドアが開けられ、おそらく欧州から強制連行された女性と子供ばかり数十人が寿司詰めとなり、手を挙げたり何かを指したりして、そっぽを向いたソ連軍監視兵に叫び声を上げている。
 佐藤氏自身のこんなキャプションが絵に添えられている。
「抑留地に向かう途中の駅でヨーロッパからはるばる運ばれてきた民間人とすれ違った。監視兵何を訴えるのか女子供たちの叫びは、我々の心を限りなく暗いものにした」

    < シベリア抑留は壮大な拉致 >

 福島市出身の佐藤氏は陸軍に召集され満州でソ連軍の侵攻にあった。「ダモイ(帰国)だ」騙されて極東のハバロフスク地方・フルムリ地区へ貨車で強制連行され、抑留された。私事だが、私の父親と同じ抑留先である。「すれちがい」はフルムリ地区への途上の出来事だったかもしれない。
 独裁者スターリンが第二次大戦の終戦間際、日ソ中立条約を一方的に破って対日参戦し、北方四島を不法占領すると同時に満州、朝鮮半島北部、南樺太、千島列島から60万人もの日本人を強制連行した。
「シベリア抑留」は壮大な拉致事件だった。従軍看護などにあたっていた数百人の女性も含まれていた。

 ソ連・ロシアの歴史は他国民や先住民族、少数民族の強制連行・移住の惨劇に満ちている。今年3月18日はプーチン政権のウクライナ南部・クリミア半島の一方的併合から10年だが、今年はスターリンによる先住民族、クリミア・タタール人の強制追放80年でもある。1944年5月、同民族は大戦でクリミアを一時占領したナチス・ドイツ軍に協力したと嫌疑をかけられ、約20万人がウズベキスタンなどへ追放され、強制労働などでその半数が死亡した。
 ソ連崩壊まで祖国帰還は許されず、10年前からはタタール人への差別・迫害が激化し、併合反対派の失踪や殺害、暴行、拷問が相次ぎ家族やイスラム教礼拝所が急襲されている。他にも30年代のウクライナなどのクラーク(富農)追放、ヒトラーとの独ソ不可侵条約の秘密議定書に基づくバルト三国の併合とシベリア強制移住、大戦中の朝鮮人、チェチェン人、イングーシ人強制追放など際限がない。すべてが女性・子供もろともの国家犯罪である。

   < 際限なき強制連行・移住 >

 シベリア抑留では約6万人もが非業な死を遂げたが、特に1945年冬が酷かった。佐藤氏は5人のうち一人を骸骨で描いた。
「顔、顔、顔・・・」と題する絵のキャプションをこう書いた。「最初の冬は幕舎暮らしであった。ここで死んでたまるかと思いながらも限りなく死を覚悟した時期である。われわれの心は荒んだ。地獄のような冬を越すのに五万の兵士が死んだ。
 
 20世紀前半を生きたポーランド出身の詩人で、社会主義に憧れてソ連に亡命しながらスパイ容疑で逮捕、シベリアで獄死したヤセンスキーの作品に「無関心な人々の共謀」がある。この一節を佐藤氏は著書に引いた。
 
「敵を恐れるなーやつらは君を殺すのが関の山だ/友を恐れるなーやつらは君を裏切るのが関の山だ/無関心なひとびとを恐れよー
やつらは殺しも裏切りもしない/だが、やつらの沈黙という承認があればこそ/この世には虐殺と裏切りが横行するのだ(原文通り)

 プーチン氏は逮捕状がでた翌日、併合9年となったクリミアの軍港・セバストポリを訪れ、現地に完成した子供の美術学校を視察した。ICCへの当てつけなのか。独裁者の暴虐は、声高に避難し続けていないと止めどなく肥大化する。セヤンスキーは世界の良心にそう訴えかけている。
 
(2024年3月17日付け 産経新聞<オピニオン>・・・論説委員「日曜に書く」・・・齋藤勉氏著より転載)

(またまた長い寄り道をしてしまい、申し訳ありません。近い将来、もう我が国も”安全地帯”に居るとは言えない時代に入ってきました。しかし今の自分では何事にも「無関心」でしかいれないことに、言葉を失っています。)

  
 6月16日(日)、第182回武闘派碁会は当初20名の方々で開始予定でしたが、事前に五味さんと山内さんから不参加の連絡があり、かつ、当日いつも宇宙棋院に一番早くお見えになる石田さんの姿が見えず心配していたところ、12時前後にお見えになりましたが、体調不良で幹事への連絡方法がわからずに、やむをえず大分無理されて見えたようで、幹事と宇宙棋院の電話番号をメモされたうえで、早々にお帰りになりました。(その後石田さんには、その後の安否を伺うメールを出しましたが、翌日に大丈夫と思われる旨の返信を戴きました。山内さんは頸椎に痛みのある急病で、暫らくは安静・治療が欠かせないようで、案じています。
 石田さんには予め幹事の連絡先をお話していなかった点をお詫びしました。ただ月2回発信の武闘派関係メール上には、緊急時用に宇宙棋院の電話番号は常に明記してはいました)

 この日は宇宙棋院内では、アマ本因坊戦の神奈川県予選大会があり、池上さんを始め、囲碁サロン向ヶ丘遊園の「王座戦」最強者の宮島さんなどの元気なお顔も見えました。武闘派碁会はややこじんまりして16名の方々で覇を競うべく華やかに、かつ、和やかに、ほぼ定刻に開催されました。
 
 さて、1回戦の組み合わせはすべて抽選で決まります。連覇を狙う長井さんは強敵長野さんに、準優勝の高本さんは簗さんに、3位の斎藤さんは城戸さんに、6位の真形さんは鈴木さんに、それぞれ勝って順調なスタートでしたが、4位の城戸さんは斎藤さんに、7位の岸原さんは林さんに敗れて、苦難の出だしとはなりました。

 2回戦は斎藤vs.徳田戦は斎藤さんが、長井vs.高本戦は高本さんが、真形vs.中山戦は中山さんが、林vs.金子戦は林さんが、それぞれ白星を獲得、優勝を目指して連勝街道を驀進していきます。長井さんは高本さんに6目半で敗れ、惜しくも連覇達成はなりませんでした。

 3回戦では、4人に絞り込まれた連勝者同士の熾烈な闘いの場と化しましたが、まず斎藤vs.高本戦は高本さんの僅少差2目半勝ち、中山vs.林戦は林さんの中押し勝ちとなり、栄えある決勝戦の対決は復調著しい高本vs上位にも下位にも強い林戦という、好調同士の興味深い闘いで優勝を決することとなりました。

さぁーて、勝利の女神様のやさしい微笑みは、今回はどちらの方に向けられたのでしょうか・・・?

それでは、栄えある入賞された方々を、ご紹介いたしましょう。

(数回前から幹事からのお願いで、”我かく闘かえり!”という「自戦記」を<任意ですが>書いて戴くことになりました。
今回は高本さんと谷野さん、金子さんの激闘記です。
武闘派の戦士達は、一体どういう気持ちでどう闘っているのか? 皆さん、楽しみながらお読みください。なお詳細な対局結果は、添付の「令和6年6月武闘派碁会対局表」をご覧ください。なおこの添付をうまく開けない場合は、一度ご自分のエクセルのファイルに入れてからだと開けるそうですが、うまくいかない場合はご一報ください)
  
☆ 優 勝 高本 正さん 4-0 勝ち目数 69・0 対局終了後の持ち点 261

<6/17付け受理・自戦記>

 ” 武闘派碁会自戦記

瀧さん
 毎度お世話になります。昨日の大会、久しぶりの優勝でした。
 自分の戦いを次の通りまとめました。

<第1局 簗さん>
 5子局 白の初手は通常小ゲイマかかりだが、
 私は3間高ガカリした。簗さんは左辺を3連星に構え、
 私は右上隅の星につけ右上隅を確保シ、ペースをつかんだ。
 簗さんのウナルハンマーが空回りし始め中央で要の石を鶴の巣ごもり
 で打ち抜き黒の中央は空中分解し、白中押し勝ちとなった。

<第2局 長井さん>
 私の258点に対し長井さんは259点、私が黒を持つのは初めて。
 2連星で厚く打ちしっかり勝利した。

<第3局 斎藤さん>
 斎藤さんはなんと308点実に67点差、私が4子置いての手合わせ。
 小松9段とも4子局なので、斎藤さんは強豪である。終始リードを
 保っていると思いながら打ち進めたが、猛追を受け、最後は漸くの2目半勝ち
 で冷や汗ものだった。

<第4局 林さん>
 林さんは地に辛くよく苦杯をなめる。しかし、2子局では負けられないと
 思いながら打ち進め、白優勢だが、右上隅でコウが始まり、勝負に来られた。
 黒優勢と思われたが、幸い時間切れ勝ちとなった。久しぶりに全勝で優勝できた。
               以上 高本

高本さん、ようやく”永い眠り”から覚めたご様子で、これから2度目の”黄金時代”が再開しそうですね。鍛えに鍛え抜かれた技と経験とで、大いなご活躍を期待しています。

高本さん、優勝おめでとうございます!(^^♪
   
☆ 準優勝 谷野正義 3-1 勝ち目数 88・5 対局後の持ち点数 266

” <武闘派大会自戦記 令和6年6月17日>

瀧さん、「自戦記」をお送りします。

<初戦: 徳田さん、4子局> 
 今日はユックリ打とうと思って、打っていったが、終盤相手のスキが見えてキメに
 行った所ダメヅマって、先手で数目もぎ取られ、作ってみたら2目足らず敗戦。

<第2戦 古川さん 白番コミ4目もらい>
 序盤早々失敗し、左上に40目くらいの地をあげてしまった。
 相手の2回の大きなミスで
 徐々に差が詰まり小寄せに入って追い着いたかなと思っていたら、
 相手の時間が切れての勝利。
 
<第3戦 瀧さん 白番>
   
 相手の得意な高中国流を打たせない様に打ってみた。 中盤黒石を攻めて大きな地をせしめるも、
 私の大石を案の定攻めて来た。凌ぎ勝負の碁になったが私の下辺先手1眼できる所を後手一眼と
 勘違いして、中央で先手一眼か白石と繋がるかと打って行ったが万事きゅうすかと思った瞬間
 相手の時間切れで薄氷の勝利。

<第4戦 齋藤さん、 4子局 黒番>

 地を大事に打っていたら、相手もそれを察知して中央に大きな地を作ろうと画策してきた。
 相手の傷を突いて中央に進出このまま行けば足りないと見た相手は今度は中央に進出した私の石を
 強引に取りに来ました。それを何とか凌ぐ内に反対に相手の大石が分断されて眼がなくなり投了と
 なりました。

 初戦は悔しい思いをしましたが、2戦以降は相手に悔しい思いをさせての2位でした。

                                      
    谷野拝

 谷野さんの力強さ、ヨミの深さ、正確さなどが光った好局ばかりでした。
 武闘派らしい武闘派棋士が勝って、碁会がいつも盛り上がっています。

 谷野さん、準優勝、おめでとうございます!(^^♪
 
☆ 3 位 金子裕章 3-1 勝ち目数 69・5 対局後の持ち点数 227

  <武闘派大会自戦記 令和6年6月17日>
  
” 瀧さん、

 お世話様でございます。金子です。自戦記をお送りいたします。

<一局 瀧さん 黒>

 途中から均衡がなくなり、白のペースになりました。
ただ最後、黒に死んでいる石の攻め合いの狙い一点があり、幸運にもその狙いが発生し、
相撲で言う、うっちゃり勝になりました。

申し訳ございません。

<二局 林さん 黒>

 結構うまく打てていた感触がありましたが、手どころの劫で、無劫を打ってしま
い、数えて20.5目負けました。林さんは強いです。

<三局 城戸さん 白>

 お互いに地を作り合う碁でした。終盤、金子が取られを見損じしてはっきり黒優勢
になりました。
しかし最後の最後ダメ詰まりで手があり逆転勝ちでした。申し訳ございません。

<四局 中山さん 黒>
 序盤中山さんの捨て石作戦で、囲んでいる石が攻められました。何とか凌いで少し
優勢に進められたと思います。最後は何とか残りました。
                                     
以上です。金子 ”

 金子さん、狙いは鋭く攻めは”正調派”、しかも3子では勝つチャンスもありません。
 このまま順調に、大きく伸びて欲しい方のお一人です。
 今後の研鑽、ご活躍を大いに期待しています。

 金子さん、3位入賞、おめでとうございます!(^^♪ 

 (高本さん、谷野さん、金子さん、自戦記楽しく読まさせてもらいました。
  ありがとうございます!(^^♪

☆ 4 位 林 義光さん 3-1 勝ち目数 50・5 対局終了後の持ち点 237

林さん、初戦で大敵岸原さんに大差勝ちして順調なスタート、次戦では金子さんを20目
半差で下し、更に3戦目で好調中山さんに中押し勝ちして3戦全勝。いよいよ高本さんとの
優勝決定戦に臨みましたが、武運拙く惜しくも中押し負けを喫し、4位に甘んじました。
実力は十分、毎回優勝を目指して、これからも頑張ってください!

☆ 5 位 徳田隆行 さん 3-1 勝ち目数 2・0 対局終了後の持ち点 304

徳田さん、初戦で谷野さんに1目半の僅差で勝ちましたが、2戦目で斎藤さんにダメ
詰まりで大石を獲られて敗北、しかし、その後長野さんに中押し勝ち、長井さんに僅差の半目
勝ちして、3-1で5位入賞です。
毎回優勝候補のお一人、次回の更なるご健闘をお祈りいたします。

☆ 6 位 齋藤優輝さん 2-2 勝ち目数 27・5 対局終了後の持ち点 306

(恒例により2-2での入賞の場合は、コメントは控えさせていただきます)

 
そして表彰式もつつがなく終わり、お互いの健闘を称えながらの散会となりました。

武闘派碁会ご参加の皆様、勝っても負けてもこの半日、大変お疲れ様でした!

まだコロナ禍の大変な時代に、このささやかな碁会を大いに盛り上げてくださった皆様方に、心から感謝しお礼申し上げます。

 さて次回の第183回武闘派碁会は、7月21日(第3日曜日)(12時集合)、
12時10分から開催の予定です。
 (参加申し込みの締め切りは、前日の20日<土>16時です。)

 皆様、今年もこの囲碁と言う小さいが広く無限の喜びを得られる世界にお互い没入して、人生を大いに楽しみましょう!

 今後も引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。


追伸;横浜宇宙棋院と参加入場時の手続きなどを、念のため下記に再掲しましが、「当日の突然の不参加や遅延などは、会場の宇宙棋院の受付にご連絡いただけますよう、よろしくお願いいたします。」

                   = 記 =

☆ 開催日:  (7月は)7月21日(第3日曜日)、12時10分開始
        (なお、開始時刻の10分前には入場してください)

☆ 開催場所: 宇宙棋院 〒220-0004 横浜市西区北幸1-1-8 エキニア横浜8F
             TEL/Fax:045-323-1515

☆ 参加費:  2,300円

☆ 支払方法: お手数ですが、2回に分けてお支払い願います。
        ① まず入場時棋院の受付の人に、1,300円お支払い願います。
          その際に、必ず受付の方に、”武闘派碁会に参加する者で
          す”と お伝えください。
         ※なお入場料が4月から1,300円となりました。10枚つづりの
          回数券を購入されると10%割引になります。
           
        ② 次に、少し中に進むと特定してあるIBM武闘派碁会エリア受付で、
          幹事に1,000円お支払いください。

☆ 確保したIBM武闘派碁会エリア(予定): 8~10席(16名~20名分) 

☆ 対局数/持ち時間: 今まで通りの4局対局で、持ち時間は一人45分です。

☆ 入 賞:参加人数により、1位~5位、または6位、または7位まで表彰。
          (12月は、年間表彰もあります)

☆ コロナ対策: IBM武闘派碁会エリアは、席を一つ置きに使えるように配慮して
         もらいました。
        (ただ、時には同日に他の諸大会の開催予定もある場合があり、
         いつもよりは狭い場所で、お願いされる可能性もありますの
         で、あらかじめご了解ください)
         その他、アルコール消毒液の設置や換気等も、適切に行われていると思われます。

☆ その他(食事):早めに見えて軽食されたい方は、受付左手の休憩コーナーをご利用ください。

                                      
   瀧 賢史
28273b9e100d7a84d4261b240a3017c6