第178回武闘派碁会の結果報告と、次回第179回(令和6年3月17日<第3日曜日>)開催のご案内

宇宙棋院のAIロボット
武闘派碁会登録、参加、および「写し」宛先のみなさんへ、

 若い頃からの、碁は相手より1目でも地が多ければ勝つゲームというより、相手の大石を”捕獲”して(出来れば相手に投げてもらって)勝つゲームだという気持ちは、”雀百まで”ではありませんが今もあまり変わらず、ですから終局で石を並べている時に、相手の獲り石が多いのに、自分は2,3目しか相手の石を獲っていない時などは、例え碁には勝っていてもとても勝った気がせず、虚ろなむなしい気持ちになってしまうのは、私だけの”異変”なのでしょうか?

 昔は、「殺し屋加藤正夫」、「ハンマーパンチの大平修三」、最近では同じくハンマーパンチの「上野愛咲美女流名人」の本や棋譜を集めていますが、やはり石同士が激しく闘う接近戦ともなれば、何と言っても欠かせないのがこの方、「梶原武雄九段=先生」す。

 以下は「梶原の碁4」”梶原流ドリル戦法”の「はしがき」からの抜粋です。(日本棋院・発行)

 ” ・・・若年時には「ドリル」と称され、確かにそのような鋭さがあった。あるいは「部分感覚」を喧伝され、確かに石も形に関する一家言を有していたように思う。しかし、当時からこれがすべてであってはならない、と思い定めていたし、現在では、さらに本質に迫る視点を獲得したと信じている。

 碁には、序盤も終盤も、サバキも攻めもない。あるべき姿勢は、局面じたいが要請する最善の手の探索に尽きる。この姿勢を失ったときは、囲碁人としての矜持と資格をみずから投げ捨てるときであろう。
(本書では、第三巻のサバキからさらに局面が具体化し、攻めとしのぎが問題となる局面に焦点が合わせられている)
 碁の原点、「石の働き」からつねに出発して考えなければならぬことはむろんだが、局面じたいがなにを要請しているか、「時」と「場所」と「状況」を敏感に受け止める力が必要とされるだろう。「攻め」という手法をこうした角度から分析するのは初めての試みであり、読者諸氏の新たな視点形成に役立つものと信じている。

碁には、アマもプロもない。「石の働きと全局のバランス」に心を砕く姿勢をいかに持ち続けられるか。さらに高次の視点にみずからを導く努力を続けられるかどうか。
もしアマとプロがあるとすれば、技術より精神の問題として考えなければならないのである。・・・ ”

( 当書籍は、「攻めの場所」、「攻めの時期」、「攻めの方法」の3章から構成されています。我々の碁の勝負は、ほとんどがヨミの力の深さ、正確さで決まることが多いですが、一般に「石の方向」が大事と言われているのは、上述の「石の働きと全局のバランス」の追求に尽きると思います。
私など高齢の”半端者”には、いかに追及・探求しても、もうどうにも手に負えない”やっかい者<難解で>”に思えてなりません )

  1/30/’24付け産経紙に載った「朝の詩(うた)」から・・・・・
    (広島県廿日市市 福井 尚美さん、72歳の投稿/選者 八木幹夫氏)

     ” 二歳上の姉を泣かせた
      四歳のしんちゃん
      ほんものの男なら
      謝ってきんさいと私
      すぐにかけて行き
      戻ってきた
      謝った?
      うん あやまった
      すごい ほんものだ
      しんちゃんは不満顔
      でもおねえちゃんが
      あやまらない
      うーん        ”

  (またまた寄り道をしてしまいました。申し訳ありません)

第178回武闘派碁会は、この度”OB”となられた岸原さんの笑顔の参加もあって、16名の方々にお集まりいただき、横浜宇宙棋院で華やかに、かつ、和やかに開催されました。

岸原さんは開幕前の冒頭で、”今までは現役で何かと忙しく参加出来ず、優勝回数も少なく不満だった。これからは精々参加回数を増やし、優勝数をどんどん増やしたい”と本気8割、冗談2割?での、場を和ませるお話しがありました。また今回から仕事が一段落した長野さんも復活参加、上位陣の充実がこの碁会をより充実した内容のものとして、楽しめる場となりました。

 ”戦争は碁盤の上だけで沢山!”との世界平和への願いも込めて、碁会はほぼ定刻どおり火蓋を切りました。さあ、楽しい”心の格闘技”の始まりです!(^^♪

ここで一つ、特記事項を挿入してお知らせします。
それは、今度新たに更新・作成されたIBM囲碁部のホームページに、岸原さん、赤川さん、長井さんらに大変ご苦労をいただいて、「武闘派碁会」の内容が、過去10数年の実績なども更新・網羅された上に、”竜虎”ならぬ”鷲虎”が画面一杯に飛し、王者の威嚇の牙を誇らしげに見せているこの表紙の絵は、ぜひ一度ご覧になってください。(投稿者談:赤川さんのAIで作成した絵です)


さて、1回戦の組み合わせはすべて抽選で決まります。前回優勝の古川さんは簗さんに、準優勝の谷野さんも山内さんにそれぞれ苦杯し共に苦しいスタート、そして3位の鈴木準さんは石田さんに、6位の金子さんは4位の城戸さんにそれぞれ勝ちましたが、波乱含みの出だしとはなりました。

2回戦は山内vs.鈴木準戦は山内さんが、高本vs.真形戦は高本さんが、長井vs.林戦は長井さんが、金子vs.簗戦は金子さんが、それぞれ白星を獲得、連勝街道を驀進していきます。

3回戦では、4人に絞り込まれた連勝者同士の熾烈な闘いの場と化しましたが、まず山内vs.高本戦は山内さんの中押し勝ち、長井vs.金子戦は金子さんの18目半勝ちとなり、栄えある決勝戦の対決が山内vs.金子戦という、好調同士の興味深い闘いで優勝を決することとなりました。

 さぁーて、勝利の女神様のやさしい微笑みは、今回はどちらの方に向けられたのでしょうか・・・?

 それでは、栄えある入賞された方々を、ご紹介いたしましょう。

(数回前から幹事からのお願いで、”我かく闘かえり!”という「自戦記」を<任意ですが>書いて戴くことになりました。
今回は優勝の金子さん、準優勝の石田さん、3位(勝ち目数は石田さんと同数)の岸原さんからのが届いています。
武闘派の戦士達は、一体どういう気持ちでどう闘っているのか?
皆さん、楽しみながらお読みください。なお詳細な対局結果は、添付の「令和6年2月武闘派碁会対局表」をご覧ください。なおこの添付をうまく開けない場合は、一度ご自分のエクセルのファイルに入れてからだと開けるそうですが、うまくいかない場合はご一報ください)
  
 ☆ 優 勝 金子 裕彰さん 4-0 勝ち目数 93・0 対局終了後の持ち点227

 ”<2024/2/18 自戦記>

”  瀧さん

本日は、ありがとうございました。思いがけず優勝させていただきました。自戦記というレベルの碁ではありませんがご報告させていただきます。

<第一戦 城戸さん>
序盤左下隅で、死活を間違えて、隅が死んでしまいました。その後一応中央を囲って数えて碁になりましたがはっきり足りませんでした。
最後取られていた左下が駄目詰まりで手になり、逆転しました。城戸さんに申し訳ない勝ちでした。

<第二戦 簗さん>
いつも取ったり取られたりの簗さんです。今回もお約束の乱戦になりました。途中仕留めたはずの大石のかなめ石が駄目詰まりで逆に取られて冷や汗をかきましたが、最後はなんとか残りました。

<第三戦 長井さん>
細かい碁を勝ち切られることが多いので、出来るだけ攻勢に出ようと心がけました。しかし攻めた二つの石とも凌がれて、またダメかと思いましたが、攻めの余得があり、10数目残りました。

<第四戦 山内さん>
ほとんど打っていただく機会のない高段の方なので、勝ち負けよりもいい碁を打ちたいと思いました。
やはり攻勢に出ることを意識しました。しかしやはり高段の凌ぎ力は強く、逆に取られて凌がれてしまいました。しかし攻めた際の模様が結構まとまり、最後強烈に寄せられましたが、運良く残りました。

以上です。これからも参加させていただき、優勝目指して頑張ります。
ありがとうございました。

金子 ”

金子さん、優勝おめでとうございます!
   
 ☆ 準優勝 石田 造さん 3-1 勝ち目数 90・0 対局後の持ち点数 170

 <2024/2/18自戦記>

 瀧さん、

本日(2/18/'24)は大変お世話になりました。
お陰様で2位入賞できまして、以下にご報告させていただきます。

<第一戦(対 鈴木氏)>
 鈴木さんには何時もやられていて(大抵時間切れ)今度は45分だから何とかなるかと、大魚を網の中に入れた積りが、大暴れで網を破られ次回は網でなく捕鯨銃を用意しておこうと考えております。

<第二戦(対 城戸氏)>
 あまり頑張って逆転されないよう慎重に打ったのが成功したようです。

<第三戦{対 簗氏>)
 何時もやられているので、緒戦慎重に有利な体制に持込み何とかキープできました。

<第四戦(対 真形氏)>
 真形さんには、珍しい見損じがあって何とか逃げ切ることができました。
                                 
                                      
                      石田拝  
                                      
                      以 上

 石田さん、準優勝おめでとうございます! 次回はぜひ優勝を!

 
 ☆ 3 位 岸原達也さん 3-1 勝ち目数 60・0 対局終了後の持ち点 303
  (なお岸原さんと石田さんの勝ち目数は同数ですが、直接対決がないので当碁会のルールにより、年功序列で2位、3位を決めさせていただきました)
     
 ” 瀧さん、

  自戦記をおくります。
 
 IBM退社し、OBとしての初の武闘派碁会でした、いつもより皆さんの表情が柔和で暖かく歓迎してくれていたようにおもいます。

 <1戦目林さん>
 五子局です、この碁も左辺の10数子がもぎとられて、やや苦しい展開、ただ、その反動で右上隅が手になり、相手の大石が厳しい状態になり、ペースをつかんだかとおもわれましたが、反撃をくらってみると、こちらのほうが薄く、逆に大石をとられてしのがれて万事休すとなりました。
完敗でしたが林さんの点数が低すぎるのではないでしょうかね?
(幹事注;ご参加の方々の持ち点数は、10数年間の勝ち負け数積み重ねの結果です)

< 2戦目谷野さん> 
三子局です。中盤にはいるあたり、黒が分断しにいった構想があまり良くなかったようです。 逆に黒の石がきられて全体が薄くなり、右上隅の20数子がとれる展開となりました。
戦況不利な黒は右辺になだれこみましたが、この20数子もすべてとって、完勝となりました。

< 3戦目齋藤さん>
点数は1点差ということで、私の黒番、コミ5目半という対戦になりました。 序盤で、下辺を稼いだのがからかったとおもいます。
白は厚みを作ったのでこれをいかす展開にしたかったとおもいますが、右上隅で、白石を小さく生きた展開が 良くなかったのか、黒ペースで最後は中盤できりをきめて碁を決めました。
 
< 4戦目 古川さん>
三子局です。古川さんには連戦連敗でしたが、先日の例会でようやく勝利しました。
この碁は序盤7手まで谷野さんとまったく同じでした。
その後、中盤で難しい展開が続き、黒がつぶれたかにみえたところで古川さんがうまくしのいだのが流石でした。
しかし、左下の隅で手にしたのがからくて白ペースになったようにおもいます、最後は時間が切れて白の勝利となりました。

余談: 瀧さんと古川さんの対局で、白が3線に3つ、2線に3つ、2の2にはねがひとつという石がありました、
黒は1の2にはねて寄せていましたが、3目のまんなかに置くのがよさそうにおもいました。光永先生のヨセ講座を見ているとそう打ちたくなりますね。
次回、小松先生に伺ってみたいとおもいます。
(幹事注;申し訳ありませんがよく覚えていません<失笑>。よろしくお願いいたします)
 
 以上です。

 岸原達也 Tatsuya Kishihara <ktcy@kh.rim.or.jp>

 岸原さん、準優勝同等の3位入賞、おめでとうございます! 次回はぜひ優勝を!

 金子さん、石田さん、岸原さん、お忙しい中のご協力、ご配慮、ありがとうございます!(^^♪)


 ☆ 4 位 山内裕介さん 3-1 勝ち目数 55・0 対局終了後の持ち点 288

 山内さん、初戦で谷野さんを9目半差で破り、その後鈴木 準さん、高本さんと中押し勝ちして復調なって連勝、優勝も指呼の間に手繰りよせた感にみえましたが、最終戦の決戦で好調金子さんに14目半差で負けて、惜しくも4位入賞です。
 常勝将軍だった山内さんが、珍しく前回、前々回と1-3と負け越して、どこか体調を崩されたかと懸念していましたが、そこは実力者、これからまた優勝戦線に出る常連のお一人として、ご活躍されることでしょう。

 ☆ 5 位 長井憲章さん 3-1 勝ち目数 43・5 対局終了後の持ち点 256

長井さん、初戦で強敵長野さんに14目半勝ちし、次戦も林さんに時間切れ勝ちして連勝、期待されたが、3戦目で金子さんに18目半の負けを喫して一歩後退、が最終戦で古豪高本さんに17目半勝って、3-1で見事5位入賞を果たしました。
長井時代の到来をみな待ち望んでいます。今後もご健闘をお祈りしています。

 ☆ 6 位 真形久視さん 2-2 勝ち目数 26・5 対局終了後の持ち点 255

(勝ち越しでない入賞の場合は、通常はコメントは控えさせて頂いています。
悪しからずご了承ください)

そして表彰式もつつがなく終わり、お互いの健闘を称えながらの散会となりました。

武闘派碁会ご参加の皆様、勝っても負けてもこの半日、大変お疲れ様でした!
コロナ禍の大変な時代に、このささやかな碁会を大いに盛り上げてくださった皆様方に、心から感謝しお礼申し上げます。

 さて次回の第179回武闘派碁会は、3月17日(第3日曜日)(12時集合)、12時10分から開催の予定です。
 (参加申し込みの締め切りは、前日の16日<土>16時です。)

 皆様、今年もこの囲碁と言う小さいが広く無限の喜びを得られる世界にお互い没入して、人生を大いに楽しみましょう!

 今年も引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

追伸;横浜宇宙棋院と参加入場時の手続きなどを、念のため下記に再掲しましが、当日の突然の不参加や遅延などは、会場の宇宙棋院の受付にご連絡いただけますよう、よろしくお願いいたします。

 = 記 =

 ☆ 開催日:  (3月は)3月17日(第3日曜日)、12時10分開始
          (なお、開始時刻の10分前には入場してください)

 ☆ 開催場所: 宇宙棋院 〒220-0004 横浜市西区北幸1-1-8 エキニア
         横浜8F
              TEL/Fax:045-323-1515

 ☆ 参加費:  2,100円

 ☆ 支払方法: お手数ですが、2回に分けてお支払い願います。
         ① まず入場時棋院の受付の人に、1,100円お支払い願います。
           その際に、必ず受付の方に、”武闘派碁会に参加する者で
           す”と お伝えください。
           
         ② 次に、少し中に進むと特定してあるIBM武闘派碁会エリア受付で、
           幹事に1,000円お支払いください。

 ☆ 確保したIBM武闘派碁会エリア(予定): 8~10席(16名~20名分) 

 ☆ 対局数/持ち時間: 今まで通りの4局対局で、持ち時間は一人45分です。

 ☆  入 賞:参加人数により、1位~5位、または6位、または7位まで表彰。
          (12月は、年間表彰もあります)

 ☆ コロナ対策: IBM武闘派碁会エリアは、席を一つ置きに使えるように配慮して
          もらいました。(ただ、12月は同日に諸大会の開催予定もありそうで、
          いつもよりは狭い場所で、お願いされる可能性もあります)
          その他、アルコール消毒液の設置や換気等も、適切に行われて
          いると思われます。

 ☆ その他(食事):早めに見えて軽食されたい方は、受付左手の休憩コーナー
           をご利用ください。

                                    
                          瀧 賢史

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