IBM囲碁部報24015:3人団体戦結果報告
IBM囲碁部報24015:3人団体戦結果報告
7月14日(日曜)に日本棋院主催の「3人団体戦」が開催されました。
一般の対外戦に参加するのは久しぶりのことです。
大会は無差別クラス、A,B,C,Dと合計5クラスにわかれて、全部で82チーム、
選手だけでも 246名、と大勢で棋院の1Fホール、2Fホールすべてを
使いきっての賑やかな大会となりました。
大会の審判役として首藤瞬八段がこられていました。
当大会にIBMからは、4チーム 12名が参加しました。
大勢の囲碁愛好家と囲碁を楽しみ充実の一日を過ごしました。
どのグループもレベルが高く、結果は、どこも入賞ならずとなりました。
❏出場チーム・選手
1. IBMビッグブルー 無差別 池上7D 大串6D 岸原6D
2. IBMディープブルークラス別 松谷6D 及川5D 谷野5D
3. IBMスーパーブルークラス別 高本5D 古川4D 藤田4D
4. IBMスマートブルークラス別 鈴木4D 大木3D 金子3D
以下、チーム代表選手による大会報告記です。
❏大会報告記
IBMビッグブルー対戦記を送付いたします。
開始前、三将に副将になるよう提案しましたが、固辞され
そのまま対局開始となりました。
一回戦 不戦勝
二回戦 2勝1敗(〇×〇)
対戦相手:桃源会 地
副将は池田さんで、強豪に勝っているのを何度か見たことがあります。
序盤味の悪い手をうまくとがめられて早くも劣勢に。
その後なんとか勝負に持ち込んだかと思いましたが、気のせいでした。
攻めているつもりの石を逆に取られて完敗。
しかし、大将と三将が見事に勝利して二連勝。
(副将の捨て石作戦が成功したか?)
三回戦 1勝2敗(〇××)
対戦相手:学生のステゴサウルス
チーム名通り若者のチームです。
序盤大きな確定地を作られ、こちらも大模様をまとめて対抗しましたが、
相手は計算できていたようで、きっちりあまされて完敗。
四回戦 0勝3敗(×××)
対戦相手:横幅囲碁サロン糖限界
こちらも若者のチームでした。
この対戦も攻め方まずく、いやな感じ。
そのまま押し切られて完敗
最後に大会とは関係ありませんが、数日前、幽玄の間で8段のAI(LEERA-B02)
との対戦で不思議なことが起こりましたので報告させていただきます。
私の定先で寄せに入った時には既に少し悪そう。
その後、AIは、計算ができたのか堅い手を連発して相当細かくなる。
最後1目の手(黒に打たれると手入れが必要)が残りましたが、
なんとAIはそこに打たず、手入れの不要な地に手をいれました。
2目の損で結果は黒の1目勝ち。
AIは持碁を目指しかつ、1目の手を見損じたのか謎です。
わざと負けたとしたら反省してほしいものです。
以上
IBMディープブルーの観戦記担当でしたので、以下の通り
自戦記中心ですが、報告します。
第1戦:
相手は「碁盟騎士団」という若い人ばかり。
大学の囲碁部仲間ということです。チーム名はアニメから撮ったそうです。
棋力は七段、七段、五段でこちらは先番、二子、互戦で相手することに
なりました。
相手は盛んに、地を稼ぎにくるので、厚みで対抗。厚みから自然と
中央に地が出来そうな形になったところで、消しに来られ、ならば、
皆殺しとばかり襲いかかったのですが、
しっぽを取らされただけで、終わってしまい、数えたら、三目負。
相手は相当強いな・・と感じました。三将は勝ちましたが、
チームは1-2で負け。
第2戦:
相手は「筋悪囲碁会」という、これも若い人のチーム
インターネット囲碁で知り合った仲間とのこと。
棋力は六段、六段、三段でこちらは互戦、先番、二子置かせ、で相手
することになりました。
相手は今度は厚み一方。地合いで対抗したけれど、このままでは
どうも足りない・・と
大地の中に打ち込みました。楽に生きがあるとポンと打ったのが致命傷で、
その後かなりもがきましたが仕留められた投了。
大将もシノギに失敗して負け、三将は勝ちましたが、
チームはまたまた、1-2で負け。
第3戦:
相手は「チーム樹林」という、新橋の碁会所仲間のチームとのこと。
棋力は六段、六段、六段でこちらは互戦、先番、先番、で相手する
ことになりました。
相手は中央に大桂馬四つという布石。この間隅を固め必勝と楽観して
いましたが、最後に攻め過ぎて、隅の手どころでこちらがミスして
無条件で取られてしまい、万事窮す。
大将は相手の大石を仕留め勝。でも、三将は今度は負けてしまい、
結局、チームはまたまた、1-2で負け。
第4戦:
相手は「日立ソリューション」という、新橋の碁会所仲間のチームとのこと。
棋力は六段、五段、五段でこちらは互戦、互戦、互戦、で相手することに
なりました。
私は白番が当たりました。(白番の方が好きです)
相手は、自陣が薄いのに構わず攻めてくる。なので少し大勢を整えてからと、
無理して伸びていた大石を取りに行きました。が、攻めを意識している
うちに、こちらの石が薄く分断され、少しづつアチコチ噛み取られ大差と
なり投了。 他の二人も負け、チームは最下位に終わりました。
自分も大会での全敗は初めての経験でした。
以上、観戦記おわり。
及川捷三
IBMスーパーブルー自戦記を送付いたします。
大将:高本五段、次将:古川四段、三将:藤田四段
一回戦 朝霞囲碁連盟 相手先
序盤左上の折衝で見かけない形ながらうまくいった。
しかしその後の対応がまずく周りが薄くなってしまった。
色々仕掛けていったがあまりうまくいかなかった。
結局時間切れで負けとなった。
三将は勝利したが大将は負けて初戦チーム敗戦。
二回戦 横浜囲碁サロンカサイ 相手先
慎重に打ち進めほぼ互角の形勢で進んだが終盤追い落としの筋で
10目ぐらいもぎ取って勝勢となった。
以後相手が投げないで終局まで行ったが20目近くの大差で勝利した。
大将、三将も勝利して唯一のグループ初勝利となった。
三回戦 四銃士 互先
若い女性3人グループ
3人なのに何故四銃士なのか聞いてみたら慶応大学の囲碁部で
日吉キャンパスで週二回ぐらい4人で打っているとのこと。
こちらも負けずに隣の人の娘さんは早稲田大学囲碁部だったんだよと
何だかわからないこと言ってしまった。
序盤で中央三子をを取り込み大地ができて安心してしまった。
相手しっかりしていて中盤から終盤がうまくどんどん悪くなり最後当ての
ツギも忘れて取られ並べてもきっちり負けていました。
三将はがんばって勝利して相手に指導もしていましたが大将が負けて
グループ敗戦となった。
四回戦 傘寿前夜祭 互先
それほど年寄りではなっかったです。
終始お互いの石の攻め会ったが決まらずいやな展開となる。
終盤うまく決まったと思ったのだが詰めが甘く決め切れれなかった。
最後は隅に手が生じてしまって投了となってしまった。
チームも敗戦。
スマート・ブルー
IBM4チームの中で一番「かっこいい名前」で出場しました。
対戦相手もおもしろい名前ばかり。囲碁の世界も自由ですね。
4回戦すべてで鈴木準さんが勝利を収めました。凄い!
チームは2勝2敗で終了。
横浜囲碁サロン:このチームだけまともなチーム名。
1勝2敗。
鈴木準さんだけが勝ち、残り2人は打ち取られました。
UmarUda:へんてこりんな名前。
1勝2敗。
また鈴木準さんだけが勝ち、残り2人は負け。
NBCチームchiaki:最初はNECかと思ったがニュー・ビジネス・
コンソーシアム+女性名。
大会審判長の首藤8段に指導を仰いでいるんだとか。3将に紅一点。
2勝1敗。
鈴木準さんが勝ち、3将の金子さんも勝ちました。
肉玉うどん大:なんという変な名前。
2勝1敗。
初めて相手チームの段位が低かった。3段3段2段でした。
鈴木準さんが勝ち、2将の大木さんも勝ちました。
鈴木準さんが一人気を吐いたので、チームは2勝2敗のイーブンで
終わることができました。
エピソード:
1 始まる前、我がチームはDクラスだとばかり思っていました。
どこを探してもスマート・ブルーが見つからない。Dクラスにない。
Cクラスにもない。ようやくBクラスに名前を発見。「ええ!Bクラス?」
「高段者グループじゃない」と思って最初からビビってしまいました。
2このBクラスにスーパーブルーまでいる。
当たる確率は事務局が配慮するだろうから、おそらく決勝戦のみ。
優勝:スーパーブルー(高本、古川、藤田:さん略)、
準優勝:スマートブルー
で行こうと気合を入れていました。
3三回戦目、早々に終了した金子さん、相手の女性に
「こう打つんですよ」「その手は良くない」と
諭していました。教えているときの金子さん、かっこいい!
410年ぶりに参加した大木さん、3局目までずっと2子局。
「2子局はほとんど打ったことがなく苦手だからなあ」
と敗戦の言い訳をしていました。
確かに最後の4局目だけは互先で〇でした。
以上
❏大会結果
IBMビッグブルー 無差別
池上 均
大串 天光
岸原 達也
1 O 3-0 不戦勝
2 O 2-1 桃源会地
3 X 1-2 学生ステ碁サウルス
4 X 0-3 横幅囲碁サロン糖限界
IBMディープブルー Aクラス
松谷 治
及川 捷三
谷野 正義
1 X 1-2 碁盟騎士団
2 X 1-2 筋悪囲碁会
3 X 1-2 チーム樹林
4 X 0-3 日立ソリューションズ
IBMスーパーブルー Bクラス
高本 正
古川 康雄
藤田 清
1 X 1-2 朝霞囲碁連盟
2 O 3-0 横浜囲碁サロンカサイ
3 X 1-2 四銃士
4 X 0-3 傘寿前夜祭
IBMスマートブルー Bクラス
鈴木 準
大木 建志
金子 裕彰
1 X 1-2 横浜囲碁サロン15
2 X 1-2 UmarUda
3 O 2-1 NBCチームchiaki
4 O 2-1 肉玉うどん大
❏成績優秀者
4戦全勝 鈴木 準 Bクラス主将
3勝1敗 池上 均 無差別クラス主将
3勝1敗 藤田 清 Bクラス三将
❏総評
今回、結果はともないませんでしたが、多くの囲碁愛好家と交流が
できて、充実の良い一日となりました。
年齢、性別をとわず幅広く、対戦できるのが囲碁の良いところだと
あらためて認識した次第です。一方碁の内容は反省する方も多く、
よりいっそうの研鑽をつんで次の機会にのぞみたいとおもいます。
❏大会こぼれ話
■高速の勝利!
朝一番、無差別クラスの対戦表をみてすぐに気が付きました。
チーム数が奇数のため、初戦は不戦勝なのです、
大会開始前から他チームの人数名に「勝ったよ!」と宣言、、
不戦勝であることがわかると周囲から良かったですねぇ、、と
声をかけられました。全敗ではなくなったので良かったのですが、
囲碁を打ちに来て一局うてなかったのでよかったかどうか。。
■大会幹事来ない!?
本日の大会は集合が9:30でした。ほとんどの選手がそうそうに棋院へ
到着していましたが、9:50にも2名が来ておらず、特にかんじんの
大会幹事がなかなかやってきません。まさか、大会の日を忘れて
いるのでは?しかし、この大会幹事さんは数日前に選手全員に
「日曜は大会だから忘れないように来てくださいね!」と
リマインドメールを送っているのです。
まさか、本人が忘れないだろう、、といっていたらぎりぎりに
お二人とも姿がみえてようやく安堵となりました….
■団体戦の良さ!
今回の大会審判長、首藤八段の冒頭挨拶、3人チームの団体戦は、
勝ったら3倍嬉しい、負けても痛みは、3分の1です、本日はおもいきり
囲碁を楽しみましょう! 流石、、良いことを言われますね。
■幼児参戦!
今大会、小さい子ども、とくに女の子の出場がめだちました。
中には小学校の低学年、いや、もしかしたら幼稚園?とおもわれるような
小さな子もいて、ちゃんと碁がうてるのだろうかとおもっていたらしっかり
打たれていました。将来が楽しみですね。
■階段での突然の会話
階段で2Fから1Fへ降ろうとすると大会審判長の首藤先生とすれちがいました。
そこで、先生に声をかけて、「先生、先週は、わたしはNHK杯の
先生の解説、応氏杯の1局目、2局目のyoutube解説を全部拝見しました、
その上に大会審判長までされるとは、お疲れでしょう、動画でみるよりも
実物がずっと良いですね!」首藤先生は「それはそれは、、」と
にこにこして挨拶を返されました。
■よもやのヨセ!?
一回戦、不戦勝だったので、他チームの碁の応援にまわりました。
Kさんの碁、実に細かそうです。もう終盤うつところがほとんどなく、最終
段階です。二目ぬきをうってとりかえされるけど、出をうってヨセかな、、
ところが、Kさんは1目をうって、出をうたずそこをおさえられました。
あれ?じゃ、ここで二目ぬきか? そこでも1目をうって、二目をつがれて
しまいました。終盤の終盤でまさかのヨセミスで2目半の負けとなりました。
■よもやの継続!?
一回戦、不戦勝だったので、他チームの碁の応援にまわりました。
Oさんの碁、30目近い大石が死んで完全にグロッキーです。
それを挽回しようと他の石ももがいていましたがそちらも死んで
しまいました。
こりゃだめだ、、投了かな?ところが、その後も元気に打ち続けるのです。
手つきをみると弱々しくもなく完全に強気です。
よもや、時間?? 対局時計の時間も十分あります。団体戦なので敗戦は
士気にかかわると頑張ったのかもしれませんね….
■よもやのコウ!?
一回戦、不戦勝だったので、他チームの碁の応援にまわりました。
Kさんの碁、黒石を大きくとって優先のようです、ただ、周囲を囲んだ
20目ほどの白石にも目がないため、ダメだけに気をつけていれば
大丈夫そうです。
次に見たときはそこがなんとヨセコウになっていました。え?え?
次に見たときは白石のほうが全部とられてしまっていました、、万事休す!
■よもやの手抜き!?
一回戦、不戦勝だったので、他チームの碁の応援にまわりました。
Yさんの碁、序盤は怪しい形でしたが、はっきり優勢に、、地が
たくさんあって大量リードの様相です。終盤、ダメがつまるとあそこは、
手をいれないとだめだけど初段くらいあれば気がつくのでさすがにYさんは
気がつくだろう、大丈夫だよな、、
気が付きませんでした。Yさんの地の中で、6子くらいがとられて大惨事!!
ところが並べてみると、それでも勝っていました!
■郷里の先輩の横暴!?
朝霞の囲碁チームと対戦したFさんはわたしは埼玉県の出身なんだよ、
先輩なんだよ!と対局前に高圧的に言い放ち、相手がびびったか、
はたまた混乱したかこの対局は先輩の忖度勝利となりました。
■酔拳不発!?
チームはやや不調な中、二連勝と快調なYさん、昼食にでかけて、
ビールをたしなみました。酒に強いYさん、ビールでますます強くなって
酔拳を披露しようというのでしょうか。午後は二連敗となりました。
■敗因は対局前会話
無差別クラスの最終戦、横浜囲碁サロンさんですね、と声をかけたところ、
いえ、違います。横浜囲碁サロンではなく、横幅囲碁サロン、、です。
は?? まさかチーム名にはめ手がはいっているとは、、
さらに糖限界という名前までついています。どういうことが問いただすと
幹事がその横幅が広くて恰幅がよくて糖系がやばい方でして、、との説明。
この不思議な名前に混乱したか、この対戦は全敗となりました。
■囲碁交流の申し込み?
Bクラスの対戦相手チームの幹事の女性の方から、囲碁交流の申し込み
がありました。若い女性の方ですので、こちらは歓迎ですが、
「こちらは年寄りでたいして強くもないのに良いのですか?」と
返事をしましたがとにもかくにもメール交換をすることになりました。
■はやめの祝勝会?
大会終了後、全チームが入賞できなかったので表彰式に参加できず、
10名の選手が棋院近くの居酒屋へ祝勝会へでかけました。階段を降りて
行く初めて訪問するお店でしたが良いところでした。
入賞できなかったけど、早く飲める!と喜んででかけたわけですが、
「これ祝勝会ではなく反省会だよなぁ、」と自戒の声がとんできました。
■強すぎてのけぞる!?
うちあげの席で座ったBクラスのKさん、左と前に無差別クラスの
高段の人がいたので「うわ、ここはダメだ」とばかりのけぞって、
右の別の席に退避しました。
あまりに強い人の近くはびびってしまうのでしょうか。そこにいたら、
1目強くなるのに、、と横から声がかかりました。
■共通点多し!
うちあげの席、IさんとKさんが意外にも多くの共通点があることが
わかりました。東北出身、体格が近い、囲碁で県代表になったことがある!
お二人は東北のローカルの地名をあげて、周囲はおよそわからない
話題でもりあがっていました。。
■そんなに昔じゃない!?
今回、みごと4連勝を飾ったSさんにうちあげの席で多々、称賛の声が
とびかいました。とくに日頃、Sさんのことを気にかけているFさんは
100回くらいは連呼して絶賛して、帰りの電車の中でも言い続けていました。
Sさんは時々、絶好調になる、越後屋でも合宿で全勝しており越後屋事件
と呼ばれているとの話もあがり、当のSさんはあれは10年も前の昔の
話だよ、と返しましたが、いくらなんでも10年も前ではないでしょう、
と周囲から指摘があがりました。
■たぶん仕事してない!?
応氏杯で一力棋聖が世界戦で決勝進出したことは話題になりました。
Youtbue中継、平日、リモートワークで家で仕事していた某氏は、仕事8割
でたまにYoubube2割で見ていました、、とのこと、この方、おそらく
Youtube9割で仕事1割だったのではとおもわれます。
以上
大会幹事 高本 正
IBM Japan IGO Club