第181回武闘派碁会の結果報告と、次回第182回(令和6年6月16日<第3日曜日>)開催のご案内

武闘派碁会登録、参加、および「写し」宛先のみなさんへ、

大人になる、って何だろう。物分かりがよくなって、ケンカをしないことだろうか。あるいは何でも自分でできて、誰かに迷惑をかけないことだろうか。四国・松山の弁護士、射場和子さん(59)にお会いして、そんなことを考えた。
彼女の事務所にある日、5歳の男の子がやって来たという。お母さんとの相談が終わり、帰るときのことだった。
「次に来るときは、もっと大きくなっているかな」。そう言われて、男の子はにっこりし、大きく手をあげた。「やさしくなるよ!」
その瞬間、まるで魔法使いが杖をふり、魔法をかけたようだったと射場さんはふり返る。「彼にとって、大きくなることは、やさしくなるということ。私には衝撃でした」

誰もが年を重ねるごとに、やさしさを増す社会があったら、どうだろう。想像してみる。金メダルをとれるようになるのも、勉強ができるのも素晴らしい。だけど、そうでなくてもいい。何かができる、できないに縛られた生き方は、窮屈でたまらない。
かつて射場さんは、IT関係の会社の経営者だった。忙しすぎて病気になり、「逃げ場」を求めるように法律の勉強を始めたそうだ。
司法試験に受かったのは12年前、47歳のときである。弁護士として、性暴力の被害者の支援や、ジェンダー問題に取り組んでいる。
松山は、小雨が降っていた。傘を開いて思う。人は何歳になっても、大人になれる。どこまでも、やさしくなれる。大人とは、そう信じ、もがき続ける存在だろうか。”
                                      
(2024・3・21付け朝日紙「天声人語」より転載)

昔から”BKは若く見られる”と言いますが、実年齢より若く見えるらしい私が、めったにない経験をしました。それは数週間前のことです。帰りの電車に乗った場所が、たまたま優先席近くのドア付近でした。と、その席に座っていた若者が、立ち上がりながら私に目で”座りなさい”と合図してくれたのです。金髪で派手なアロハシャツをラフにひっかけたような若い強面な感じの男性でした。優先席を譲られる経験がほとんどない私は、少し慌ててしまい、”直ぐ降りるので”と言い手を振って辞退したのですが、若者は既に立ち上がって私と入れ替わる状態でした。あまり断るのも相手の方の好意を削ぐと思い、それではと遠慮なく着席しました。私は帽子を被っていたのですが、白髪(しらが)全部を隠し切れずに、”老人”に見えたのでしょう(事実、”80過ぎている老人”ですが<笑>やがて電車が私の下車駅に着いたので、私は”ありがとうございました”と若者にお礼を言って別れましたが、別れ際若者が私に見せた笑顔と、やさしそうな”目”が実に印象的でした。あんなやさしそうな若者の笑顔の目に逢ったのは何十年ぶりかと思いました。
金髪に派手なアロハの若者の持つ”優しい目と心遣い”、人は見かけで判断してはいけないと、また教わりました。そして自分自身を振り返って、自分が10代、20代から今日(こんにち)に至るまで、如何に人に対してのやさしさやおもいやりに欠けていたかと、つくづく反省し電車の中で会った若者に頭が下がるばかりでした、、、、、、(もう過去の出来事は神様だって変えられませんが<笑>)。

(はたまた変な寄り道をしてしまいました。誠に申し訳ありません)

 5月19日(日)、第181回武闘派碁会は20名もの大勢の方々にお集まりいただき、横浜宇宙棋院で華やかに、かつ、和やかに開催されました。
この日は全国的に夏日続出の暑さに加えて、宇宙棋院内で70名近くが参加のアマ名人戦の神奈川県予選があって、私たち「武闘派碁会」が使えるスペースが極端に狭くなり、ご参加の皆さん方には大変なご迷惑をおかけする次第となりましたが、何卒事情ご推察の上ご了解戴けますよう、よろしくお願いいたします。
 
”戦争、戦乱は碁盤の上だけで沢山!”との世界平和への願いも込めて、碁会はほぼ定刻どおり火蓋を切りました。
さあ、楽しい”心の格闘技”の始まりです!(^^♪(なお奇数要員として、瀧T<利美子>が参加して、20名でのスタートです)

さて、1回戦の組み合わせはすべて抽選で決まります。3連覇を賭ける岸原さんは山内さんに、3位の斎藤さんは徳田さんに、6位の林さんは古川さんにそれぞれ勝って順調なスタートでしたが、5位の兵藤さんは瀧Kに敗れ、苦難の出だしとはなりました。

2回戦は岸原vs.斎藤戦は斎藤さんが、五味vs.谷野戦は谷野さんが、高本vs.瀧K戦は高本さんが、長井vs.林戦は長井さんが、城戸vs.瀧T戦は城戸さんがそれぞれ白星を獲得、優勝を目指して連勝街道を驀進していきます。岸原さんは斎藤さんに10目半で敗れ、惜しくも3連覇達成はなりませんでした。

3回戦では、5人に絞り込まれた連勝者同士の熾烈な闘いの場と化しましたが、まず斎藤vs.谷野戦は斎藤さんの僅少差2目半勝ち、高本vs.長井戦は長井さんの中押し勝ちとなり、更に連勝の城戸さんは惜しくも真形さんに8目半負けしてしまい、栄えある決勝戦の対決は斎藤vs長井戦という、好調同士の興味深い闘いで優勝を決することとなりました。

さぁーて、勝利の女神様のやさしい微笑みは、今回はどちらの方に向けられたのでしょうか・・・?

それでは、栄えある入賞された方々を、ご紹介いたしましょう。

(数回前から幹事からのお願いで、”我かく闘かえり!”という「自戦記」を<任意ですが>書いて戴くことになりました。
今回は長井さんと高本さんのそれです。
武闘派の戦士達は、一体どういう気持ちでどう闘っているのか? 皆さん、楽しみながらお読みください。
なお詳細な対局結果は、添付の「令和6年5月武闘派碁会対局表」をご覧ください。
なおこの添付をうまく開けない場合は、一度ご自分のエクセルのファイルに入れてからだと開けるそうですが、うまくいかない場合はご一報ください)
  
☆ 優 勝 長井憲章さん 4-0 勝ち目数 94・5 対局終了後の持ち点 258

<5/20付け受理・自戦記>

 ” 武闘派碁会自戦記

瀧さん、
武闘派碁会ではいつもお世話になります。
たまたま運よく(本当に運よく)4戦全勝させていただきましたので自戦記(?)らしきものをお送りします。

<初戦> 鈴木(準)さんに黒番4目半コミ出し 中押し勝ち
序盤から中盤にかけてやや力が入りすぎ形勢はあまりよくない結果になっていたが終盤白の大石を五目中手に仕留め勝ちを確信。
が相手は投げる気配など全くなくそのまま十数手を打ち進めたところで「これ、死んでいますよネ」と告げる。セキではないかと言われたが丁寧に五目中手であることを説明。納得されての投了となりました。

<2回戦> 林さんとの2子局 半目逆込み 時間切れ勝ち
林さんとは林さん定先の時にもよく負けていたので「慎重」(感覚ではなく考えて打つ)に打ち、中盤まで優勢に打ち進めかなり大きな白地を確保。
黒にとっては難しい局面が続いた結果、終盤戦に入るころに時間切れで勝つことができました。

<3回戦> 高本さんに黒番5目半コミだし 中押し勝ち
高本さんは白番でもいつも模様を張ってくる作戦なのはわかっていたが、今回の白の一手目は黒17の四に対して何と「白7の十四」。天元はたまに見かけるがこの「7の十四」は初めてある。いつもは白の模様をうまく消して黒地に物を言わせる作戦が成功することが多いのだが、この戦いではあちらこちらで白に翻弄され、終盤戦に入るころにはやや白が厚い形勢。しかし右辺中央に白の欠陥を見つけ、大きな白の大石をちょん切ることに成功、白の投了と相成りました。

<最終戦> 難敵の齋藤さんとの4子局 4目半勝ち
今まで真形杯では3子局(昇段したため今月からは2子局)だったので4子局は楽勝と思われる方が多いがけっしてそのようなことはなく、上手はハンディーに合わせてそれなりの手を必ず打ってくる。ハンディー無しの碁ではカカリに対してハサむ手が好きではあるが、4子局ともなるとハサミで局面が広くなることを避け、ひたすら星への小桂馬ガカリに対しては小桂馬に受け
る。が、4度目の星への小桂馬ガカリに対してはついに我慢ができず低く一間にハサむ。が、大きな戦いには発展させずに徐々に4子のハンディーは縮小
しているものの大過なく終盤戦に持ち込むことができた。
終盤戦でもいくつものぬるい手やヨセの優先順位を間違えるも終わってみれば盤面5目を残すことができました。
                                      
長井さん、運よくと謙遜されていますが、真形杯Aクラス4-0、そして武闘派碁会4-0の連続優勝は、とても運だけで獲得出来るものではなく、着実に力を上げておられる”証明”です。外連味のない本格派の堂々たる碁を打たれる長井さんの、これからの益々のご活躍が期待されます。

長井さん、優勝おめでとうございます!(^^♪
   
☆ 準優勝 高本 正 3-1 勝ち目数 49・5 対局後の持ち点数 257

” <武闘派大会自戦記 令和6年5月19日>
瀧さん
 昨日はお世話になりました。
久しぶりに準優勝できて喜んでおります。
 自戦記をお送りいたします。

第1局 簗さん 5子局
 初手、右上の星に対し3間にかかった初めての試み、簗さんは戦いが好きで右辺の星に挟んでいたので星につけて右上隅で根拠を得た。
簗さんは戦いの調子がつかめず私の着手に戸惑い左上の石が頓死。白の中押し勝ち。

第2局 瀧さん 先番
 いつも白を持っている瀧さんに対し点数が1点低く黒番。
初手右上の7の7に構える、私の得意の攻める布石である。
他の空隅は7の7に呼応する大高目で相手を惑わせる作戦。
見事黒の作戦が成功し、右辺も左辺も黒地が膨らんで黒中押し勝。

第3局 長井さん 白番
 第2局で味をしめ、白番でも7の7の攻撃布石、空隅はやはり大高目。
白地も多く稼ぎ大優勢、さすが優勝した長井さん、最後に白の薄みを衝いて左上で十数目の白石がちぎられ苦敗となった。

第4局 谷野さん
 いつも互先の相手に今回は私が9点も低い先番。
初手左上の7の7に構える。見事攻めの布石が成功し、谷野さんに完敗と言わしめた1局、勝目差19.5
これで3勝1敗、勝目差49.5で準優勝となった。
  以上  高本

高本さんに2戦目で対戦しましたが、かつて打っておられた変幻自在の”高本流”が復活、その玄妙な打ち方に圧倒され、私も完敗の碁でした。
関西社会人囲碁大会で優勝、ご褒美に旧高輪の日本棋院の座敷で、当時の日本棋院選手権者の大平修三九段と二子で闘った高本さんの雄姿が、今でも瞼に強烈に焼き付いています。

高本さん、準優勝、おめでとうございます!(^^♪

☆ 3 位 齋藤優輝さん 3-1 勝ち目数 38・5 対局終了後の持ち点 306

優勝候補筆頭の一人の斎藤さん、今回は初戦で強敵徳田さんと対戦し中押し勝ちで破って好調なスタート、次戦では3連覇の偉業達成に燃える岸原さんと激闘、見事10目半勝って優勝を手元に引き寄せる勢いで、3戦目では武闘派中の武闘派、谷野さんと対戦し苦戦しましたが2目半勝ちで、全勝。いよいよ優勝を目指して最終戦では長井さんとの4子局決戦となりました。
真形杯よりキツイ手合い割で苦しい闘いとなりましたが激闘、しかし武運拙く4目半差で、前回同様の3-1で3位入賞です。
  

☆ 4 位 城戸善一さん 3-1 勝ち目数 36・0 対局終了後の持ち点 202

城戸さん、初戦で金子さんに19目半勝ちして幸先良いスタート、次戦で瀧Tさんを14目半差で下し、ここまで順調に来ましたが、3戦目の真形さんに8目半負けて一歩後退、しかし最終戦で林さんに10目半勝って、見事3-1で4位入賞です。
元々の実力者です。好不調の波を抑えて、更なるご活躍を期待しています。

☆ 5 位 五味幹常さん 3-1 勝ち目数 35・5 対局終了後の持ち点 282

五味さん、初戦で真形さんに11目半勝ちましたが、2戦目で谷野さんに10目半負けて”一服”、次戦で兵藤さんに中押し勝ちして、最終戦では強敵徳田さんに4目半差で勝って、3-1で5位入賞です。
五味さんは、”さすが”と言われるほどの内容で碁の勉強に取り組んでおられますので、これから夏、秋に向かって、その成果が見事に花咲かれることでしょう。
ご健闘をお祈りいたします。

☆ 6 位 真形久視さん 3-1 勝ち目数 35・5 対局終了後の持ち点 257

真形さん、初戦で五味さんに11目半負けをしてやや出足をくじかれましたが、その後、鈴木 準さんに中押し勝ち、城戸さん、金子さんをそれぞれ8目半勝ちして、3-1で6位入賞です。
真形さんは今”新規巻き直し”の気概で、囲碁の研鑽に励まれておられます。元々勝負強さをお持ちなので、これから優勝という美味な果実を、もぎ取られることも多くなるでしょう。
(5位の五味さんと同じ勝ち目数でしたが、直接対決があり、その結果順位が決まりました)

☆ 7位 岸原達也さん 2-2 勝ち目数 44・0  対局終了後の持ち点 230

恒例により2-2での入賞の場合は、コメントは控えさせていただきますが、岸原さんはさすが勝負強い、3連覇は逸しても7位入賞はさすがです。

 
そして表彰式もつつがなく終わり、お互いの健闘を称えながらの散会となりました。

武闘派碁会ご参加の皆様、勝っても負けてもこの半日、大変お疲れ様でした!

まだコロナ禍の大変な時代に、このささやかな碁会を大いに盛り上げてくださった皆様方に、心から感謝しお礼申し上げます。

さて次回の第182回武闘派碁会は、6月16日(第3日曜日)(12時集合)、12時10分から開催の予定です。
(参加申し込みの締め切りは、前日の15日<土>16時です。)

皆様、今年もこの囲碁と言う小さいが広く無限の喜びを得られる世界にお互い没入して、人生を大いに楽しみましょう!

今後も引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

追伸;横浜宇宙棋院と参加入場時の手続きなどを、念のため下記に再掲しましが、当日の突然の不参加や遅延などは、会場の宇宙棋院の受付にご連絡いただけますよう、よろしくお願いいたします。

          = 記 =

☆ 開催日:(6月は)6月16日(第3日曜日)、12時10分開始
      (なお、開始時刻の10分前には入場してください)

☆ 開催場所:宇宙棋院 〒220-0004 横浜市西区北幸1-1-8 エキニア横浜8FTEL/Fax:045-323-1515

☆ 参加費: 2,300円

☆ 支払方法:お手数ですが、2回に分けてお支払い願います。
 
①まず入場時棋院の受付の人に、1,300円お支払い願います。
 その際に、必ず受付の方に、”武闘派碁会に参加する者です”と お伝えください。
 ※なお入場料が4月から1,300円となりました。10枚つづりの回数券を購入されると10%割引になります。
           
②次に、少し中に進むと特定してあるIBM武闘派碁会エリア受付で、幹事に1,000円お支払いください。

☆ 確保したIBM武闘派碁会エリア(予定):8~10席(16名~20名分) 

☆ 対局数/持ち時間: 今まで通りの4局対局で、持ち時間は一人45分です。

☆ 入 賞:参加人数により、1位~5位、または6位、または7位まで表彰。
     (12月は、年間表彰もあります)

☆ コロナ対策:IBM武闘派碁会エリアは、席を一つ置きに使えるように配慮してもらいました。
 (ただ、時には同日に他の諸大会の開催予定もある場合があり、いつもよりは狭い場所で、お願いされる可能性もありますので、あらかじめご了解ください。

その他、アルコール消毒液の設置や換気等も、適切に行われていると思われます。

☆ その他(食事): 早めに見えて軽食されたい方は、受付左手の休憩コーナーをご利用ください。

                                      
   瀧 賢史
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